琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

ワールド・オブ・ライズ ☆☆☆


『ワールド・オブ・ライズ』公式サイト

あらすじ: ヨルダンを拠点に大規模なテロを計画する首謀者の手がかりを得たロジャー・フェリス(レオナルド・ディカプリオ)は組織に潜入しようと試みる。そのためには狡猾なCIAのベテラン、エド・ホフマン(ラッセル・クロウ)らの協力が必要だった。味方とはいえ過信ができない不安定な状態の中、潜入作戦実行の期限が迫っており……。(シネマトゥデイ

2009年に入って初の映画館での鑑賞。
リドリー・スコット監督で、ラッセル・クロウレオナルド・ディカプリオの共演。
これでつまらないわけないだろ、と思いながら観に行きました。

金曜日のレイトショーで観客は10人足らず。
3連休前なのに、と考えるべきなのか、3連休前日の夜だから、と考えるべきなのか?

「2時間それなりの緊迫感を持って楽しめる映画だけど、何か物足りないな」というのが、観終えての感想でした。
地球が静止する日』みたいな「腰砕け映画」ではないんだけどねえ……
なんかこう、大風呂敷を広げるだけ広げて、結局こじんまりとまとまっているなあ、と。
せっかくのラッセル・クロウも「本当は有能なんじゃないかと期待させつつ……」という役では活かされているとは思えないし、ディカプリオが熱演すればするほど、「敏腕エージェント」に見えないのも困ったものです。それはディカプリオの演技が、というわけじゃなくて、あんなに脇が甘い「敏腕エージェント」なんていないだろ……としか感じられない脚本のため。これは衝動的にやっているように見えるけど、有能なエージェントだから、きっと深慮遠謀があるんだろうな、と思いながら見ていたら、結局最後まで「思いつき」でしかなかったというバカバカしさ!
ジョーカー・ゲーム』読めよ、リドリー・スコット……とか言いたくなってしまいました。
いちばん目立っていたのは、ヨルダン情報局のハニ・サラーム役のマーク・ストロングさんだったような気がします。この人は存在感あり。

たぶん、この映画は、リドリー・スコット監督の「アメリカの『対テロ戦略』への違和感」が表明されたものではあると思うんですよ。携帯電話やインターネットなどの技術があまりに発達して、「部屋の中でコミュニケーションを支配する」ことに慣れてしまった人たちにとっては、実際に会って話をすることや手渡しでの情報伝達というツールは、かえって「盲点」になってしまうというのもよくわかります。
「西欧文明社会」の「テクノロジーを進化させることによってテロを打倒する」というやりかたは、もう、行き詰っているんじゃないか?という主張にはこの映画を観ているとたしかに頷けるのです。
でもまあ、なんというか、けっこう真面目に問題提起しようとしている分だけ、エンターテインメント映画としては中途半端ではあります。

この映画を観ながら『スパイ・ゲーム』を思い出してしまったのですが、僕は『スパイ・ゲーム』のほうが好き。

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ジョーカー・ゲーム

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