琥珀色の戯言

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ビロウな話で恐縮です日記 ☆☆☆☆


ビロウな話で恐縮です日記

ビロウな話で恐縮です日記

内容紹介
人生に退屈なことなど何もない

天下無敵の妄想体質作家・三浦しをんが贈るミラクル・ダイアリー・エッセイ!
著者自身による愛てんこもりの脚注&書き下ろしのおまけも収録!

365日ワンダフル煩悩ライフ――日々いろいろ考察しています。
ロシアの王様の濃厚フェロモン/(まだ生まれていない)孫の教育/海賊になった夢/ローストビーフの賞味期限/音大生の傾向/恋愛短編集のタイトル/息子さんと娘さん/一万年後の太陽の死/本日の殿/号泣する学生風男子/ブチャイクな猫/ファンタジーの波/紫色のバラの人たち/「つきあいたい」好きと「こうなりたい」好き/漫画の新文法/BL的「暗号濡れ場」/レジまわりに関する人称視点問題/ものすごく小声で喧嘩する三十代男女/焼きそば地獄/愛のなかの暴力的要素 and more!

僕は作家の「日記」が大好きで(なかでも筒井康隆さんと大槻ケンヂさんの「日記」はお気に入り)、書店で見かけるとついつい買ってしまうのです。これもそんな一冊。
率直なところ、この『ビロウな話で恐縮です日記』、前半はあまり面白くなかったのだけれど、後半はどんどん面白くなっていきました。
でも、これが「日記」かどうかはけっこう微妙なんですけどね。
前半はけっこう「三浦しをんが観た夢」の話が多いのですが、「他人の夢の話と子供自慢ほどつまらないものはない」というのを実感してしまいましたし。
考えてみれば、「夢」をこれだけクリアに覚えていて文章にできるというのは、それだけですごいことなんですけどね。
僕なんか、面白い夢を観たと思っても、1時間もしないうちにディテールは忘れてしまうから。

三浦さんの場合、「華麗な交遊関係」とかが少ない分、「日常日記」としての派手さには欠けるのですが、後半は「日記」であることを半分あきらめて、「その日三浦しをんが思ったこと、妄想したこと」が主に描かれるようになってきます。そこからは面白くなるんですが、どちからかというと「日記」というより、「書いた日付がわかるエッセイ集」というべき本なのかもしれません。
三浦しをんさんのファンには安心してオススメできますが、「若き直木賞作家の華麗な日常」みたいなのを期待している人は、ものすごく腰砕けになるのでやめておいたほうがいいです。

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