琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

蛇にピアス ☆☆☆


蛇にピアス [DVD]

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【ストーリー】
蛇の舌、顔中のピアス、そして背中に龍の刺青を入れた男・アマ(高良健吾)と出会い、付き合うようになった19歳のルイ(吉高由里子)。だが一方で、ルイは彼の紹介で出会ったサディスト彫り師・シバ(ARATA)とも関係を持ち始める。自らの舌にピアスをあけ、背中に龍と麒麟の刺青を彫り、突き動かされるように身体改造にひた走るルイ。そして2人の男の、2種の愛を受け、痛みと快楽に身を委ねていくが、ある日アマの起こした事件がきっかけで、3人の運命は思いもよらぬ結末を迎える・・・。

【キャスト】
吉高由里子 高良健吾 ARATA あびる優/ソニン
【特別出演】市川亀治郎 井手らっきょ 小栗 旬 唐沢寿明 藤原竜也(五十音順)

R-15指定作品。……っていいのかこれ16歳なら見せても……

原作の小説版『蛇にピアス』は、僕にとっては「理解できないしかかわりたくない世界の話ではあるけれど、そういうものがあるというのを知ることができたという点で有意義な作品」だったのですが、この映画版は、その原作にかなり忠実なつくりになっています。
スプリットタン、刺青などの「痛い」描写満載、登場人物もキレやすい男やサディスト、いきなり警察に食ってかかる女など、「ああ、こういう人たちって、救急外来で暴れそうだよなあ」と思いながら観てました。いや、率直に言うと、最初の30分くらいはなんとか集中して観ようとしたんだけど、いたたまれなくなってネットやりながら眺めてました。
字面では「ふーん」と言いながら読める内容でも、映像にされると「痛そうで観てられない」よねやっぱり。
吉高真由子さんはヌードになりまくっていることも含めて「熱演」なのだろうし、その他の役者さんたちも「自分の役割を忠実に演じている」と思います。観ながら、「なんだよ吉高真由子のあの舌たらずの気持ち悪い喋りかたは!」と感じていたのだけど、この作品の主人公が声を張って感情を込めた「劇団しゃべり」をやってたら、それはそれでヘンだしなあ。

たぶん、この映画を「ものすごくエロい」と感じる人もいるだろうし、「気持ち悪いだけ」だと感じる人もいると思うのですよ。僕は基本的に後者なんですが、「気持ち悪いものを気持ち悪く描いている」という意味では、けっこう良い映画なのかもしれないな、という気もします。
しかし、吉高さんのヌード目当てで観に行って、映画館でこのサディスティックな映像を2時間観せられたら、けっこう辛いんじゃないかなあ。
なかなか脱がなくて「いつ脱ぐんだろう?」という展開ならモチベーションも維持されるかもしれないけど、10分くらいで脱いじゃって、たぶんそれがいちばん「わかりやすく脱いでいる」シーンだし。

僕にとっては「全く感情移入できない人たちを2時間も見ているのはつらい」ので、「もう二度と観なくていいや」という作品でした。でも、この「自分を傷つけずにはいられない世界観」に惹かれる人たちはこの世界に一定の割合でいるだろうし、そういう人たちにとっては、今後もずっと観続けられる作品なのではないかと。

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