琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

ICHI ☆☆☆


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【ストーリー】
三味線を手に1人で旅をする盲目の女旅芸人・市(綾瀬はるか)は、チンピラとのいざこざの中で浪人・藤平十馬(大沢たかお)と出会う。十馬は市を助けようとするものの手が震えて刀を抜けない。そんな時市は仕込み杖を一閃し、チンピラをあっさり倒してしまう。その後2人はとある宿場町へとたどり着く。そこは街を仕切る白川組と町外れに根城を構える万鬼一党が抗争を繰り返す場所で、市と十馬も抗争に巻き込まれてしまう。

綾瀬はるかの『座頭市』と聞いて、どんなネタっぽい時代劇になっているのかと期待していたのですが、その予想に反して、かなりシリアスな時代劇だったので驚きました。
綾瀬さんの『市』は、それなりに迫力もありましたし、ああいうタイプの女の子がバッサバッサと人を斬りまくるというのも、それはそれで妙な色気がありましたし。
でも、この映画って、結局、「綾瀬はるかに『座頭市』を演じさせる」というアイディアだけで製作側が満足してしまっているように思われました。
2時間の映画としては、「斬新なところがそれだけ」だと、やっぱりちょっと間がもたないんですよね。
それで、人間ドラマっぽいストーリーになっているのですが、あんまり強くない『座頭市』って、やっぱりちょっと興ざめ。大沢たかおさんの「十馬」の役回りなんて、途中でバレバレでしたし。
いっそのこと、最後まで「笑っちゃうくらい強い綾瀬はるか」の路線でいってほしかったなあ。

「異色作」にもなりきれなかった「迷作」という感じになってしまいましたが、綾瀬さんの「市」は、けっして悪くなかったと思います。
ただ、綾瀬さんって、世間的には「イロモノ」だと思われている作品ほど、本人は熱演しているようにみえて、ちょっとかわいそうだよねえ。
『僕の彼女はサイボーグ』のときも思ったけど、「ここまでやる」若手女優は希少な存在ではあります。

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