琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

ちょっと落ち着いて、草なぎ剛さんの「事件」から考えてみる


(1)ふと思いついたのだが、今回の事件については、『SMAP』に対する批判が全く出てこない。十年前くらいであれば、この事件に対して、「そんな破廉恥なことをやったのはグループ全体の責任」とか「SMAP活動を自粛しろ」というような声があったと思うのだが、これは、SMAPというグループそのものがもう「名目上の存在」でしかなく、実質的にはソロのタレント×5、であることを意味しているのだろう。あるいは、本当に全員活動停止になったら、テレビ業界も活動限界になってしまうからなのか。
これで高校野球とかでも、「個々の部員の不祥事による部全体の出場辞退」なんてバカバカしい慣習がなくなってくれればいいのだけれど。


(2)僕は「こんなことで逮捕されたり、家宅捜索されるのはおかしい」と思うけれど、その一方で、「日本人はやっぱり酔っ払いに甘いなあ」とも感じている。夜中に大声で騒がれたら、いくら本人がストレス溜まっていたのだとしても、近隣住民は迷惑だし、「日頃たいへんだろうから」って我慢する筋合いもあるまい。そもそも、「タチの悪い酔っ払い」に対応させられるのは警察や病院なのだが、限りあるこれらの組織の力を、酔っ払い相手に使わなくてはならないというのはものすごくバカバカしいことだ。
「人生、こういうこともある」し、これ以上本人を責めるのはかわいそうだけれど、同情のあまり、「酔っ払いが起こす迷惑行為」そのものを肯定してはいけないと思うし、そういう「日頃がんばっていてかわいそうだから」という周囲の「温かい気持ち」が、だらだらと飲酒を続けさせ、当人を「アルコール依存」に至らしめることもある。というか、報道で伝え聞く草なぎ剛の飲みかたは、かなり依存的な感じなので心配。


(3)鳩山総務大臣の言葉はあまりに酷かったが、この事件による各業界の損害額は、一説によると1000億円にものぼるらしい。
被害額を考えれば、クライアントは怒って当然。やったことは「軽微」で「人間らしい失敗」なのだけれど、それがもたらした影響を考えると、「立場をわきまえて行動しろ!」って言われてもしょうがない。ところで、これって損害賠償の対象になったりはしないのだろうか。CM契約には、「商品のイメージを落とすような行為をしないように」という条項が入っているはずなので。


(4)この事件、「日本人の飲酒習慣」について考える良い機会だと思うのだが、残念ながら、「草なぎ剛さんはそんなに悪いことをしたのか?」という議論と、ネタとしての消費しか行われていないようにみえる。僕も酒は嫌いじゃないので(もちろん酒の上での失敗もいろいろある)、禁酒法をつくってくれなどと言う気はさらさらないし、お酒が飲めなくなったらさびしいけど、「酔っ払い天国・日本」の今後のありかたについて、酒とのつきあいかたについて、再検討するべき時期なんじゃないかな。「飲み会参加圧力」みたいなものは年々弱まってきているし、「少しずつ変わってきている」のだろうけど。
何度か書いているけれど、「酒」というのは「日本でいちばん依存者が多いドラッグ」だからね。

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