- 作者: ゲッツ板谷,西原理恵子
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/02/28
- メディア: 単行本
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内容紹介
立川に板谷家あり。あの伝説のバカ家族が帰ってきた! 再び繰り広げられる戦慄のバカ合戦。必笑エッセイ!
西原理恵子の描き下ろしマンガ入り。
僕はどうも「喜怒哀楽」のうちの「怒」と「哀」に偏りがちな人間のようで、「面白いギャグ漫画」「テレビのお笑い番組」を読んでも、声を出して笑うようなことって、ほとんどないんです。
(まあ、「アラフォー」の男が事あるごとにゲラゲラ笑ってるのもあんまりカッコよくはないんですが、以前も、「あんまり笑わない子供」だったんですよね)
でも、ゲッツ板谷さんの『板谷バカ三代』では、本当に何度も声をあげて笑いました。
僕にとっては、数少ない「心から笑えた本」の一冊です。
怖そうなので絶対にプライベートでは友達にはなれないと思うのですが、なんというか、「純粋」なんですよね板谷家のひとたちは。「バカ」なんだけど、弱い者いじめはしないし、自分に誇りをもって生きている。
よしもとばななさんが、ゲッツさんに、
ゲッツさんの仕事は、放っておいたらこの世の誰も気づかない、でも、偉大な人たちのことを書き続けていくことだと思います。
という直筆の手紙を送られたそうなのですが、たしかに、板谷家の人たちには、「器用に生きることばかりを教えられてきた僕たち」が失ってしまった、「人間として生きることの根源的な幸せ」みたいなものが息づいているようにも感じられるのです。
この『やっぱり板谷バカ三代』は、その『板谷バカ三代』に比べると、「笑える話」は少なくなってしまっています。
それは、板谷家の人々が年を重ねるにつれて、「病」とか「死」の話題が避けられなくなってきていることが大きな原因です。
板谷さんのお母さんが癌で亡くなられるまでのエピソードを読むと、自分の母親のことを思い出さずにはいられませんでした。
「映画『ワルボロ』が制作されることになったとき、お母さんが板谷さんの友達のキャームさんに頼んだこと」(228‐229ページ)の話を読んだときには、「ああ、母親ってこういうものだよなあ……」と涙が止まらなくなってしまいました。
まさか『板谷バカ三代』で、こんなに泣かされるなんて……
オレがオフクロに関して最も尊敬しているところ、それは人間というのは普通イロイロなことをガマンしていると必ずといっていいほど、その反動で1つや2つはワガママなところが出てくるものである。が、ウチのオフクロにはソレがなかった。こうやって文章にすると大したことに感じないかもしれんが、オレは今までにそういう大人をオフクロ以外に1人も見たことがない。
巻末の西原理恵子さんのマンガにも泣かされました。
「時間が流れる」っていうのは、それだけで、人からいろんなものを奪っていくのだよなあ。
次回作ではまた、「笑える板谷家の話」がたくさん読めますように。
- 作者: ゲッツ板谷,西原理恵子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/08
- メディア: 文庫
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