琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

『アマルフィ 女神の報酬』 ☆☆☆


『アマルフィ 女神の報酬』公式サイト

あらすじ: クリスマス目前のローマ。亡き夫との思い出が詰まった街で、矢上紗江子(天海祐希)は最愛の娘の失踪(しっそう)するという最悪の事態に見舞われてしまう。身代金目的の誘拐か、それともテロか……? 犯人グループが警察の包囲網をかく乱し、捜査が一向に進展しない中、事件の真相に迫る外交官・黒田(織田裕二)は、ある事実に行き当たる。(シネマトゥデイ

今日は土曜日+映画の日、しかも当直なし、妻子実家ということで、ハシゴしてきましたよ2本。最初に観たのがこちら。
夏休み+朝から1000円均一ということもあり、70〜80人くらい入っていました。なかなかの人気っぷりです。ネットではけっこう評判良いみたいだし、原作は真保裕一さんの書き下ろしだそうなので、そこそこ期待できるのではないかな……

……こんなにツッコミどころ満載の映画とは、さすがに思わなかったよ……
キャストは織田裕二天海祐希佐藤浩市戸田恵梨香さんも出るし、サラ・ブライトマンさんも登場。ザ・イイ男、福山雅治さんも「特別出演」。なんかもう、「フジテレビ人脈フル活動」。三谷幸喜さんはどこにカメオ出演しているんだろう、とかちょっと探してしいました。

それでもね、『少林少女』ほど破綻した映画ではないんですよ。映画館で観ていると、2時間とりあえずキッチリ画面を観ていられるくらいには面白い。とはいえ、ストーリーはかなり強引なんだけど、「おっ、ここが噂の『アマルフィ』か!」とか、「おおっ、サラ・ブライトマンが歌ってる!」とか、そういう「気分転換」があるのでなんとか持ちこたえられる、というレベルなんですが。
そもそも、この映画、なぜタイトルが『アマルフィ』なの? 何が「女神の報酬」?
もっと「観光ガイド」みたいな映画かと思ったら、せっかくの「世界でいちばん美しい」らしい「アマルフィ」の風景は、なぜかピンボケです。うわっ、さらに近眼・乱視が酷くなったのか?あるいは、網膜剥離を発症したのか?まさか、この映画のタイトルにもなっている美しい風景が、こんなぼんやりとしか見えないなんて……
うーん、僕はアマルフィには行ったことないけど、画面上では、フィレンツェのほうが、よっぽど美しく感じるんだけど。

他のサイトの感想を読んでみると、みんな同じだったみたいでホッとしました。どうも「演出」だったみたいです。しかし、その演出、この映画に必要なのか?みんな「イタリアの美しい風景だけはハズレないだろう」と期待しているところに、この仕打ち!
しかも、ストーリー上は、アマルフィに行く意味、全くなし!でもタイトルに使われてる!
サラ・ブライトマンのステージも、単なるサービスシーンで本筋とは関係なし!

そもそも、この映画でのイタリアの扱いはひたすらひどく、いきなり「気をつけろ、ぶつかってきたヤツはスリだ!」「赤ん坊を抱えた女はスリだ!」「子供がひとりでトイレに行っただけで誘拐される!」「マフィアの資金源にならないために、犯人と被害者家族との直接交渉は禁止!」など、なんかもう、すさまじく危険な地域のような印象を観客に与えまくります。イタリア人は、みんなスリかマフィアか刑事かテロリスト!
しかも、肝心の「絶景」はピンボケだし、犯人が案内してくれる観光地も微妙なところばかり。メジャーどころの観光地はこの内容だと撮影許可がおりなかったのではないかと思われますが、「真実の口」が写真だけで登場してくるのが悲しい。
とりあえず、子供連れてイタリアに行くのはやめよう、と思いました。
イタリア人がこの映画を観たら怒るんじゃないか?しかも、肝心のところはイタリア人ほとんど責任ないし。

織田裕二演じる外交官・黒田の活躍っぷりはすさまじいです。
お前絶対、かえって騒ぎを大きくしているだけだろ!
邦人を守るのが使命なのはまことに結構なのですが、イタリアの警察の邪魔してるだけだろそれ!というか犯罪!
日本人というだけで、犯罪者たちを全力でサポート+説得し、善良なイタリア人には銃を遠慮なく向けまくる。
長い目でみれば、「邦人保護」になってないし!
天海さん演じるお母さんも、「モンスターペアレントじゃないのかこの人……」という激しさで、感情移入困難でした。
「お前が目を離すな!」とか、つい思ってしまったものなあ。
だいたい、素人にそんなこといきなりできねえだろ!
そもそも、犯人グループの計画は、まわりくどい上に偶然に頼りまくっているという杜撰さ。最初に子供が美術館でひとりにならなかったら、やめてたのかその計画は。

……とはいえ、そういうツッコミどころも含めて、まあ、「レンタルDVDで観るなら、『豪華なスペシャルドラマ』としてそれなりに満足できるんじゃないかな」というレベルの作品ではあります。
とにかく、織田裕二に「邦人を守るのが、私の使命です」
って言わせたかったんだよね、ただ、それだけのための2時間。


参考リンク:破壊屋_アマルフィ 女神の報酬
↑の感想は、映画本編よりもはるかに面白いです。逆に、「これほどツッコマビリティが高い『アマルフィ』は、ある意味すごい作品なのではないか?」と思ってしまうくらい。
(ただし、ほぼ完全にネタバレしているので、映画を観るつもりの方は、鑑賞後に読むことを強くオススメしておきます)

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