琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

G.I.ジョー ☆☆☆


映画『G.I.ジョー』オフィシャルサイト

あらすじ: 世界征服を企む悪の組織“コブラ”が、各地で活動を活発化させる1990年代。あらゆるものを破壊する威力を持つ最強兵器ナノマイトがコブラ一味の手に渡ってしまう。パリのエッフェル塔が破壊されるなど、コブラの脅威が世界各地を襲う中、アメリカ政府は世界各地の精鋭を集めた史上最強の国際機密部隊“G.I.ジョー”に願いを託す。(シネマトゥデイ

 お盆ということで飲み会もなく、久々に土日以外に映画館へ。
 とりあえず気分転換になりそうな『G.I.ジョー』を選択してみました。
 8月13日のレイトショーでしたが、観客は30人くらい。お盆の夜くらい家にいないといけない人が多いからなのか、この映画そのものにあまり人気がないからなのか?

 この『G.I.ジョー』は、「正義の味方」と「悪党」がキチンと色分けされている、ハリウッド映画としても最近はちょっと珍しくなった「勧善懲悪のヒーローもの」です。
 悪の目的は、ものすごくシンプルな「世界征服」!
 しかし、現実問題として、(もしそれが自分たちであっても)世界が誰かに征服されたらいちばん困るのって、この悪党たちなんじゃない?」とかいうようなことを、つい考えてしまうんですけどね。
 ストーリー的には、とにかくツッコミどころ満載なんですよこの『G.I.ジョー』。
 観ながら、登場人物たちに、つい、「お前ら、面白い映像を撮れることを狙って動いてるだろ、なんて効率の悪い作戦ばっかりなんだ」とあきれ返りながらも、ついニヤニヤしてしまうのは、たぶん、この映画が「潔いくらい、エンターテインメントに徹している」からだと思います。
 とにかく速く、派手に、気持ちよく! 破壊!破壊!破壊! ちょっとお色気!! 忍者とイ・ビョンホンも大サービス!
 テロリストたちが丸腰の男の説得に素直に応じてしまうような「人道的な映画」にどうしてもなってしまう日本とは、文化の違いを感じずにはいられません。
 
 悪党の野望を阻止するためにパリの中心街を猛スピードで疾走する『G.I.ジョー』!
 任務のためなら、街も車も遠慮なく破壊しまくりです。
 「『G.I.ジョー』犠牲者なし!」って、その陰で、絶対民間人が数百人単位で死んでるぞ……
 あんなに目立ちまくっているのに、どこが「秘密組織」なんだ!
 昔、『ゴレンジャー』で「ゴレンジャー秘密基地」っていう木の看板が出てたのを思い出してしまいました。
 彼らがあまりに壮絶にパリの街を破壊しまくるので、僕はスクリーンを観ながら苦笑せずにはいられませんでした。要するに、パリの街を破壊してみたかったんだよなあ、この映画。
 でも、ストーリー上の必然なんてどうでもいいから、面白いシーンを撮ってやる!という姿勢には、けっこう好感が持てます。
 ちなみに、このチャカチャカした映像、どこかで観たことがあるなと思ったら、『トランスフォーマー』を製作したスタッフによるものだったんですね。
 子供のころに特撮ヒーローものの大ファンだった人が、大人になって自分で映画を撮れるようになり、思いっきりお金と時間をかけ、映像は豪華に、派手に、そして世界観はそのままに、あの頃のヒーローものを撮ってみたらこうなった、という感じ。 とにかく、「細かいことは言わないから、2時間だけ『男の子』気分に浸りたい」という人にはオススメできる作品です。

 ただ、ひとつ気になったのは、最初から「続編をつくること前提」になっちゃっている点です。
 こんなに潔い映画なのに、最後はちょっとスッキリしなかったのが残念!

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