琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

ある寿司屋で見た光景


一昨日、義父母と妻と息子とで、敬老の日のお祝いのため、ちょっと値段高めの回らない寿司屋に行った。
その帰り際の話。

カウンターで、学生服の中学生くらいの男の子が、押し黙って携帯電話を弄っているのを見た僕は、妻に、「中学生があんなふうに高い寿司屋のカウンターに座って、ずっと携帯弄ってるなんて、なんか感じ悪いよねえ」と同意を求めたのだ。
すると妻は、こう言った。
「うーん、そう言うけどさ、周りに同じくらいの年の子供がいなくて、みんなが『オトナの話』をしていると、ああいうふうに携帯でもやる以外に、どうしようもないんじゃない? 私たちだって、あのくらいの年頃でああいう状況だったら、同じようにしてたと思うよ。そりゃ、私たちの時代には携帯はなかったけど」

そう言われて、ハッとした。
あらためて考えてみると、たしかにその通りなんだよなあ。
あのくらいの年齢のとき、僕があの席に座っていたら、どんなに寿司が美味しくても、「ファミレスのほうが堅苦しくなくていいなあ」とか思いながら、不貞腐れていたんじゃないかと思う。

「最近の子供は……」とか「ゆとり世代は……」とか言うけどさ、実際は、彼らにも彼らなりの「理由」があるはずだ。
「世の中」とか「社会」とかが見えているつもりで、物事を、自分の物差しで測ることしかできない人って、けっこう多いんじゃないかな。
自分の「客観性」にちょっと自信を持っている人ほど、そういう傾向があるのかもしれない。
あの日の僕が、そうだったように。

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