琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

禁断のパンダ ☆☆☆


禁断のパンダ 上 (宝島社文庫 C た 4-1)

禁断のパンダ 上 (宝島社文庫 C た 4-1)

禁断のパンダ 下 (宝島社文庫 C た 4-2)

禁断のパンダ 下 (宝島社文庫 C た 4-2)

内容(「BOOK」データベースより)
柴山幸太は神戸でフレンチスタイルのビストロを営む新進気鋭の料理人。彼は、妻の友人と木下貴史との結婚披露宴に出席し、貴史の祖父である中島という老人と知り合いになる。その中島は人間離れした味覚を持つ有名な料理評論家であった。披露宴での会話を通じて、幸太は中島に料理人としてのセンスを認められ、その結果、中島が幸太のビストロを訪問することになる。一方、幸太が中島と知り合った翌日、神戸ポートタワーで一人の男性の刺殺体が発見された。捜査に乗り出した兵庫県警捜査第一課の青山は、木下貴史の父・義明が営む会社に被害者が勤務していたことをつかむ。さらには義明も失踪していることを知り…。『このミステリーがすごい!』大賞第6回2008年大賞受賞作。 <<内容(「BOOK」データベースより)
柴山幸太は神戸でフレンチスタイルのビストロを営む新進気鋭の料理人。彼は、妻の友人と木下貴史との結婚披露宴に出席し、貴史の祖父である中島という老人と知り合いになる。その中島は人間離れした味覚を持つ有名な料理評論家であった。披露宴での会話を通じて、幸太は中島に料理人としてのセンスを認められ、その結果、中島が幸太のビストロを訪問することになる。一方、幸太が中島と知り合った翌日、神戸ポートタワーで一人の男性の刺殺体が発見された。捜査に乗り出した兵庫県警捜査第一課の青山は、木下貴史の父・義明が営む会社に被害者が勤務していたことをつかむ。さらには義明も失踪していることを知り…。『このミステリーがすごい!』大賞第6回2008年大賞受賞作。

 あの『チーム・バチスタの栄光』と海堂尊を生んだ、『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
 単行本が出たときには、各書評での評価がいまひとつだったため買うのに躊躇していたのですが、文庫化を機に購入。
 しかし、ハードカバーで343ページのこの本、文庫では、220ページ×2で(上)(下)に分冊されており、両方買うと1000円かかります。
 うーん、これって、わざわざ分冊にするほどの厚さじゃないだろ……
 なんか酷い商売だな、とも思うし、その一方で、(上)を読んで気に入らなかった(下)は買わなくて良いのだから、良心的なのかな、という気もしなくはないし……

 まあ、それなりに先が気になる作品ではあるのですが、正直、「こんな気色悪い話を、わざわざお金出して読むのもなんだかなあ……」と感じたのはまぎれもない事実です。
 「怖い」というより、とにかく「気持ち悪い」。
 そして、「ミステリ」というよりは、「グルメ小説」と言うべき作品で、トリックとか意外などんでん返しとか、いわゆる「ミステリに期待されるもの」には乏しい作品ではあります。
 それを言い始めたら、『チーム・バチスタ』だって、「ミステリとしては、犯人とトリックが唐突すぎる」印象はあったので、『このミス』大賞というのは、「本格」よりも「ミステリらしさよりも、読んで面白い小説」のほうを選んでいるのでしょうね。
 ただし、あちこちで書かれているように、「料理に対する蘊蓄」や「味覚を言語化すること」にかけては、非常に優れた作品だと思います。
 個人的には、「そんなに食べ物の話が読みたいのなら、わざわざこんな『キワモノとして目立つことを狙った作品』を読むより、『美味しんぼ』とかを読んだほうがいいんじゃない?」とも感じたんですけどね。
 ミステリファンっていうのは、よりダークなもの、反社会的なものを好む気質の人が多いし、僕自身にもそういう傾向はあるのだけれど、この作品は、あまりにも安易で直接的すぎるのでは……

 なんのかんの言いながら、上下巻読んでしまったので、「全然面白くない作品」ではないです。
 ひとりの「家庭人」として、僕はこの作品「大嫌い」なんだけど、確かにインパクトはありました。これを読んだあと、「食べる」という行為そのものに、漠然とした不安を感じるようになったことも含めて。

アクセスカウンター