琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

荒川静香さんとトリノ五輪の日本選手団

昨日車を運転しながら、ラジオから流れてきた来週末開幕のバンクーバー冬季オリンピックの特集番組を聴いていました。
この番組のゲストが、松岡修造さんと長澤まさみさん、そして、トリノオリンピックの唯一のメダリストとなった女子フィギュアスケート荒川静香さんだったのですが、トリノ五輪を振り返るコーナーで、司会者が、

「いや〜トリノのときは、本当に日本人選手がメダルを獲れなくて、沈んだムードになってましたからねえ……荒川さんの金メダルがなかったら、どうなってたか……あれでガラっとトリノの印象が変わりましたよね。本当に荒川さんには、心からお礼を言いたい!」

と話していたのです。会場からは大きな拍手。
僕も、そういえばあのときは期待された日本人選手が軒並みメダルを獲れず、なんか寂しいオリンピックになってしまったなあ、などと感じていたのを思い出しました。

その司会者の言葉に対して、荒川さんは、こんな話をしたのです。

「沈滞ムード、って言われてましたけど、実際は他の選手の成績っていうのはそんなに耳に入ってきませんし、あんまり気にしてもいないんですよね。
私が選手村に入ったときにも、そんなに沈んだ雰囲気ではなかったですし。
スピードスケートの加藤選手は、『いや〜ダメだったよ〜荒川さんは頑張ってね!』なんて明るく話しかけてきてくれて。
オリンピックへの想いと自分の成績を考えると、明るくふるまえるような気分じゃなかったと思うんですけど……
個々の競技はもちろん別々にやっていますが、周囲の選手のそういう『少しでも他の選手をサポートしよう。せめて、悪い影響を与えないようにしよう』
という気配りはすごくありがたかったし、そういうのも含めて『日本選手団』というのは、ひとつの『チーム』だったんです。
だから、私の金メダルは、けっして、私ひとりの力で獲れたものじゃなくて、みんなのおかげで獲れたものだと思っています」

「オリンピック」というのは、「個人競技」ではとくに、個々の選手の能力だけが語られることが多いけれども、観客の目が届かないところで、選手たちは、「日本選手団」として、ゆるやかにサポートしあっているのです。
「自分がダメでも、外部に対して怒りや失望をぶちまけない」というのがいかに大変なことか!
それが、スポーツ選手にとってのオリンピック、という舞台であれば、なおさらのことです。

これって、「家族」や「職場」とかでもそうだよね。
「わかりやすく『頑張れ!』と応援しあっている」というのだけが「助け合っている」のではなくて、「自分のネガティブな心境を、
自分の中で食い止めて、周りにこぼれないようにする」というのも、本当は、立派な「サポート」なのだと思います。
もちろん、ときには、どうしてもこぼれてしまう部分を、お互いにすくい上げてあげるべきなのだろうけど。

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