琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

サブウェイ123 ☆☆


ニューヨーク地下鉄。1時23分列車がハイジャックされた。
ライダーと名乗る男(ジョン・トラボルタ)の要求は1000万ドル
身代金を用意するのはニューヨーク市長、人質は19名、残された時間は59分間。
さらに、交渉相手にはただの地下鉄職員ガーバー(デンゼル・ワシントン)を指名・・・。
犯人が仕組んだ完璧なシナリオ通りに「事件」が動き始めるが―――!?

1974年の傑作サスペンス『サブウェイ・パニック』をトニー・スコット監督がスタイリッシュに映像化。

この映画、僕にとっての「映画館で観るほどじゃないけど、DVD化されたら観てみたい作品」の上位にランキングされていたんですよ。
でも、観て、ものすごくガッカリしてしまいました。
なんというか、スタイリッシュな映像もいいんだけど、もうちょっとそれ以外のところでも頑張ってほしかった。

この映画のあらすじとジョン・トラボルタvsデンゼル・ワシントンというキャストを目にしたら、「おお、これはハイジャック犯と指令室の男との、お互いに顔が見えない状態での知能戦が繰り広げられるのだな!」と思いますよね。
ところが、実際は、「おしゃべりで隙だらけの犯人ととくに戦略もなく犯人の言いなりになってしまう男がなんとなく慣れ合っていくうちに、犯人グループの妙にスケールだけ大きいけど杜撰極まりない計画がごく当たり前に失敗してしまう話」です。サブタイトルに「激突」とありますが、全然「激突」してないし。
息詰まるサスペンスも、知的興奮も、爽快なアクションシーンもない、「舞台が地下鉄」ということだけが特徴の映画。
ほんと、このライダーって男、あまりに行動が矛盾しているというか、頭悪そうにしか見えないよ。
あれで逃げ切れるとか、まさか思わないだろ……
それとも、「完全にイカれている」という設定なの? 

これ観るなら、『フォーン・ブース』とかを借りて観たほうが、よっぽど「面白いものを観た」という気分になれると思います。
それにしても、なんでこんな中途半端な映画をつくっちゃったのだろう?
トラボルタとデンゼル・ワシントンの無駄遣いだとしか思えん……

「ネズミに噛まれただけで発砲する(しかも的中!サイコガンか…?)狙撃兵」「ヘタしたら現地に届く前に、人質より多くの警官が死ぬんじゃないかと思うくらい事故を起こしまくる無謀な現金輸送」「妙に往生際がよさそうだけど、きっと最後に奥の手を隠しているはず……と思わせて、本当に往生際が良いだけの犯人」
もしかしたら、これは、コメディ映画だったのかな。
「笑える映画」としては、☆3つくらいつけてもいいかも……


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