琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

テルマエ・ロマエ I ☆☆☆☆


テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

内容説明
マンガ大賞2010 大賞受賞!
世界で最も風呂を愛しているのは、日本人とローマ人だ!!風呂を媒介にして日本と古代ローマを行き来する男・ルシウス!!彼の活躍が熱い!!……風呂だけに。

先日、この作品が『マンガ大賞2010』を受賞したと聞いて、歴史好きとしては気になっていたのですが、紀伊国屋に平積みになっているのを見かけて購入。
これ、「話題の本」でないと、ちょっと手に取るのが恥ずかしい表紙かも。
このマンガ、古代ローマの(風呂限定)設計技師ルシウスが、ひょんなことから現代日本と古代ローマをかなり自由に行き来できるようになり、現代日本の「風呂文化」に驚愕しつつもそれを古代ローマに生かして歴史を動かしていく(のではなかろうか、たぶん……)という話なのですが、こうしてあらためて採り上げられてみると、日本の「風呂文化」というのは、世界のなかで非常に特異的かつ高度に発達しているものだなあ、と実感させられます。
もっとも、日本人でも、「家風呂」に入れるようになったのはそんなに昔からのことではないんですけどね。
そして、ずっとアパート暮らしをしていると、アパートやマンションの風呂というのも、かなり変わってきているのです。
僕が子供のころの25年前くらいまでは水を入れてそれを沸かしていたものですが、お湯が直接出るようになり、最近では、ボタンひとつ押すだけで、湯量・湯温が設定できて、お湯が給ったら知らせてくれるようになりました。
携帯電話やパソコンの進化もすごいけど、家の風呂っていうのも本当に様変わりしましたよねえ。

あと、ヤマザキマリさんの「ローマ&風呂、わが愛」という1話ごとに見開き2ページ分掲載されているエッセイはかなり興味深いものでした。
後ろ姿ですが、「風呂のショールームでいきなり浴槽に入ってくつろぐO村編集長」の元気な姿も拝見できましたし。
それにしても、『コミックビーム』っていうのは、「看板マンガが終わって『もう危ないんじゃないか…』という状況になると、救世主的なマンガが現れる」という不思議な雑誌ですね。
ここで語られているO村編集長の気概を読むと、それは「偶然」「幸運」だけではないのでしょうけど。

こういう「文化的な雰囲気や蘊蓄を語るマンガ」に『マンガ大賞』は甘いよなあ、なんかインテリ目線っぽくてちょっと感じ悪いかも、などとも少しだけ思うのですが、歴史好き、風呂好きにとって愉しめる作品であることは間違いないですし、こうやって、毎日風呂に入れる生活を送れるというのは、けっこう幸せなことなのかもしれないな、と再確認。

しかしこのマンガ、毎月連載されるようになったら、家庭の問題や恋愛や社会問題が、全部「風呂」で解決されてしまう、『風呂美味しんぼ』になってしまいそう……

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