琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

カムイ外伝 ☆☆


カムイ外伝 [DVD]

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<ストーリー>強靭な意志と剣の腕前を持つ忍者カムイは、真の自由を求め、掟に縛られた忍(しのび)の世界を抜け出した“抜け忍”。しかしそれは、裏切り者として追っ手の“追忍”と闘う運命を背負い続けることであった。ある日カムイは、時の藩主・水谷軍兵衛の愛馬をある理由から殺した半兵衛という漁師を助け、それを機に半兵衛の家族に迎え入れられる。しかし、半兵衛の妻はカムイと同じく抜け忍であり、かつてカムイがその命を狙った“くの一”スガルであった。彼女はカムイを追っ手と信じて心を許さない。一方、スガルの娘・サヤカはカムイに恋心を募らせていく。そんな彼女の想いをよそに、スガルはカムイに戦いを挑む。
密告により捕縛された半兵衛の救出、頭の不動率いる謎の鮫退治集団“渡り衆”の出現、そしてサヤカとの淡い恋…。さまざまな出来事の中で、次第に人と触れ合う温かさを知り、穏やかな日々に幸せを感じるカムイ。しかし、追っ手の忍群はすぐそこに迫ってきていた…。

世間的には、かなり酷評されているこの作品。僕は白土三平さんの『カムイ外伝』にはそんなに思い入れはないのですが、とりあえず話題作なので…という感じで観賞。
観終えての感想は……うーん、8時45分になったら突然猪木の延髄切りが決まって試合が終わる『ワールドプロレスリング』みたいな映画……
冒頭の忍術を駆使しての闘いの場面は、特撮モノが大好きだった僕としては、けっこう楽しめたんですよ。安っぽいワイヤーアクションであることは確かなのですが、その「B級アクション映画感」が、なかなか心地よくて。「忍術を映像で表現する」というのは、なかなか面白い。
ところが、途中からは中途半端な「人間ドラマ」になってしまい、観るのがひたすらめんどくさかった。ストーリー展開もひたすら唐突で脈絡がありません。
半兵衛という人は意味不明だし、スガルも結局、何のために出てきたのかわからないくらい見せ場なし。小雪さん、よくこの役を引き受けたなあ。
そもそも、「抜け忍」が、あんなに弱くて無防備でいいのかよ……
そしていつもの伊藤英明。なんでこの人、こういう映画ではいつも同じような役なんだ……仕事選ぼうよ、『海猿』では主役なんだしさ……

クライマックス前は、「ということは、いままで1時間45分くらい観てきたのは、結局何だったんだよ……」と言いたくなるような「地獄」が繰り広げられます。
普通、あそこまでやったら、「アイツ、許せんっ!」と観客も感情移入してしまうものなのでしょうけど、この映画の場合は、「まあ、どっちもどっちだし、巻き込まれた人たちは迷惑だよなあ」と醒めた気持ちがわきあがってくるばかり。

松山ケンイチさんは、けっこう熱演しているのですが、この映画で熱演していることが、すでにかわいそうに見えてしまいます。
ノルウェイの森』では、がんばってくださいね(ちょっと不安……)。

いっそのこと、『どろろ』みたいに開き直って、「忍術アクションエンターテインメント」にしてしまえばよかったのに。
原作に熱烈なファンが多いので、そうもいかなかったのかな。
でもまあ、これだけ「一生懸命作られたダメ映画」というのは珍しいですよね、うん。

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