琥珀色の戯言

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曲がれ!スプーン ☆☆


曲がれ!スプーン [DVD]

曲がれ!スプーン [DVD]

内容紹介
エスパーのお陰で、地球はときどき回っていたりする。

主演:長澤まさみ×監督:本広克行×原作・脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)で贈る、最高にキュートなコメディ映画!

2005年に公開され熱狂的な支持を得た『サマータイムマシン・ブルース』のスタッフが再集結!
今最も注目される若手劇作家・上田誠(劇団「ヨーロッパ企画」代表)と、本広克行監督が再びタッグを組み、ヨーロッパ企画の最高傑作戯曲をついに映画化!

【ストーリー】
クリスマス・イブ、とある喫茶店“カフェ・ド・念力”。
そこでは、1年に1度本物のエスパー達が集い、普段ひた隠しにしている自らの能力を思う存分披露し合うエスパーパーティなるものが開かれていた。
一方、超常現象バラエティ番組のAD・桜井米(長澤まさみ)は、番組企画でエスパー探しに出発!視聴者からの情報を頼りに日本全国を旅して回るがインチキばかり。
そんな米がひょんなことから、“カフェ・ド・念力”にたどり着く。
突然の米の来店に、自分達の超能力がばれてはならぬと、右往左往のエスパー達!その上、偽エスパーの存在が発覚したからさあ大変!!
果たしてエスパー達は無事米を帰すことが出来るのか!?
クリスマス・イブ、エスパー達が巻き起こす、抱腹絶倒!ミラクル超能力コメディ!!!

うーん、この映画、タイトルを『曲がれ!スプーン』じゃなくて、『眠れ!観客』に変えたほうがいいんじゃないかな……
長澤まさみさん主演、人気舞台の映画化ということで、けっこう期待していたのですが、途中からはネットやりながら眺めてしまいました。
この映画、ストーリーに整合性がないし(まあ、「エスパー」が出てくる時点でそんなこと言うのは不粋なのかもしれませんが)、脚本も冗長(とくに前半)。
せっかく長澤まさみが出ているのに、「ただそこにいるだけ」。ピュアというより、単なるバカにしか見えない。
とにかく安っぽくて、観ていて哀しくなるクライマックス(あんなの信じるバカいないだろ……)
そして、その場面で使われる矢野顕子さんの名曲『ひとつだけ』……
この映画の音楽監督は、音楽の使い方を飯野賢治に学びに行ったほうがいいと思うよ。あんな使い方は、『ひとつだけ』への冒涜だよ……

もともとは舞台作品で、舞台では俳優たちの細かいやりとりの場面で観客と一体になって笑えるのでしょうけど、観客と「空気」を共有していない映画としては、「何の盛り上がりもない、細かすぎて伝わらないベテラン舞台俳優の芸出し大会」にしか見えませんでした。
細かい笑いや仕掛けを積み重ねて、最後にドーンとくるかと思いきや、最後の最後まで盛り上がれなかったなあ……
登場人物の行動も「えっ?なんでそこでそう動くの?」って理解できないことばかり。
「ああ、ここで笑わせようとしているんだろうけど、つまんないな」と感じる場面多数。
この物語としての流れの悪さとあきれるくらいの唐突さ、監督が盛り上げよう、感動させようとしているシーンが全く伝わらない感じは、やっぱり、『UDON』『少林少女』を撮った監督だとしか言いようがありません。
舞台作品の映画化なら、『キサラギ』みたいに世界を絞ったほうが面白くなると思うのだけど、中途半端に「映画らしく、世界を広く」しようとしたことが、かえって仇になっている印象。

結局、この映画で唯一僕の記憶に残ったのは、「長澤まさみ、胸、大きいなあ」という点のみ。
ほんと、長澤さんも作品に恵まれない女優だ……

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