琥珀色の戯言

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まだある。こども歳時記 夏休み編―ロングセラー商品でつづる昭和のくらし ☆☆☆☆


まだある。こども歳時記 夏休み編―ロングセラー商品でつづる昭和のくらし

まだある。こども歳時記 夏休み編―ロングセラー商品でつづる昭和のくらし

内容(「BOOK」データベースより)
1970年代の小学生の夏休みのくらしを描きながら、そこに登場する様々な商品について、現在も購入可能なものをピックアップ。

「いまでも買える懐かしい商品」を紹介する『まだある。』シリーズも、さすがにそろそろ食傷気味かと思っていたのですが、この『夏休み編』は、本当に懐かしくて、何度もページをめくる手を止めて、小学校時代のことを思い出してしまいました。
昔のことって、思い出そうとしてもなかなか思い出せないものですが、この本に掲載されている一枚の写真をきっかけに、「昔食べたアイスの甘さ」とか「夏の夜の部屋に漂っていたベープマットのにおい」とかが鮮烈に浮かび上がってくるのです。
また、それと同時に、意外な商品(乳酸飲料「ミルトン」やベビーパウダー「シッカロール」など)がまだ「現役」だったり、逆に、国産の半ズボンがほぼ絶滅し、「つぶつぶオレンジ」の缶入りは、もう北海道の一部でしか販売されていなかったりするのに驚かされたり。

 「オロナミンC」の商品名の由来は、大塚製薬の看板商品である「オロナイン軟膏」と「ビタミンCを組み合わせたもの」

 かゆみ止め「ムヒ」の商品名は「唯一無比」の「無比」に由来

 「昆虫採集セット」は、一説によると、多くの場合、「殺虫液」にエタノール水溶液、「防腐液」にホルマリン水溶液が使用されていたそうだが、どちらのボトルにもアルコール溶液を入れて、ただ塗料で液体の色を変えていただけという商品も多かったらしい。

この本には、自分が子どもの頃には全く知らなかったエピソードが、事実と一部の噂をまじえてたくさん書かれています。
しかし、エタノールとかホルマリンって、劇薬じゃないか……子どもが飲んだらかなり危険なのでは……
そういう意味では、「おおらかな時代」だったとも言えるのでしょうね。
僕もこの「昆虫採集セット」を持っていた記憶があるのですが、虫を殺して標本にするというのが怖くて、結局一度も使ったことはありませんでした。

写真も豊富で、いま30代〜40代くらいの人には、眺めているだけで楽しい本だと思います。
ほんと、なんのかんの言っても、僕が子どもだった時代よりもいろんなものが便利になっているんだなあ、と感慨深い。
そして、そんな「まだいろんなことが便利になりかけの世の中」で、いろいろ工夫していた自分自身や、子どもを楽しませようとがんばっていた親のことも思い出さずにはいられませんでした。
そういえば、クーラーだって、昔は一家に一台で、よっぽど暑いときにだけ、家族がひとつの部屋に集まって使っていたものでした。

「昔はよかった」ことばかりじゃないけど、小学生だった頃の「夏休み」は、たしかに幸せだったよなあ。
手元に置いて、毎年夏休みの時期に、なにげなくページをめくってみたい、そんな一冊。

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