琥珀色の戯言

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的を射る言葉 ☆☆☆


的を射る言葉 Gathering the Pointed Wits (講談社文庫)

的を射る言葉 Gathering the Pointed Wits (講談社文庫)

内容説明
「気づく」ための、ユニークなメッセージ集著者HPの「本日の一言」108を編纂。「虚しいと思う気持ちは虚しくない」など、本質をずばずばと射抜くことばが並ぶ。繰り返し味わいたいメッセージブック。


内容(「BOOK」データベースより)
「大人になっても遊んでほしい人は多い。特に会議のとき、それがわかる。」「天は二物を与えず、はそのとおり。三物以上与えるのが普通。」「最も期待値の大きいギャンブルは、勉強である。(その次は、仕事)」―人気作家・森博嗣が毎日つぶやいた切れ味鋭い箴言集。何度も読み返したくなる、無二の言葉たち。

僕は「名言集」がけっこう好きなのですが(ちなみに、一番好きでいつも手元に置いているのは、寺山修司の『ポケットに名言を』)、この文庫のなかには、「森博嗣さんらしい」言葉がたくさん詰まっています。
日常をダラダラと過ごしている僕のような人間には、耳に痛い言葉ばかり。

大人


子供に夢を託す大人って、子供から見たらただの脱落者。

ギャンブル


最も期待値の大きいギャンブルは、勉強である。
(その次は、仕事)

ただ、その一方で、ネット上(たとえば『2ちゃんねる』)にも、こういう「思わずニヤリとしてしまう、気のきいた言葉」って、たくさん転がっているんですよね。
それが、こうして「商品」になるのは、やっぱり、「あの森博嗣先生が言っていることだから」であることは間違いありません。
もし僕が同じようなことをネットに書き連ねていれば、「わかったようなことばかり言っているけど、お前自身はどうなんだ?」って、嘲笑われるに決まっています。

ちょっとした時間にランダムにページを開いてみるだけで、けっこう気分転換になる本ではありますが、やっぱり、言葉の価値というのは、「誰がそれを言ったか」だよなあ……ということを考えさせられる作品でもありました。それにしても、森先生の「有言実行」っぷりは凄いです。
優秀な研究者であることと、人気作家であることを両立していて、それが「特別なこと」であるという力みが感じられない人なんて、そうはいないでしょう。
その一方で、森先生のエッセイを読めば読むほど、「君たち、僕の言葉を鵜呑みにして、こういう『自分も森博嗣になったつもりになっているなんて、おめでたいよねえ」って言われてるいるような気もするんですよね。

読書と読者


書き手がいう「読者」とは複数。

読み手がいう「読者」とは自分一人のこと。

ポケットに名言を (角川文庫)

ポケットに名言を (角川文庫)

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