琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

金の言いまつがい/銀の言いまつがい ☆☆☆☆


金の言いまつがい (新潮文庫)

金の言いまつがい (新潮文庫)

銀の言いまつがい (新潮文庫)

銀の言いまつがい (新潮文庫)

出版社/著者からの内容紹介
あれから約3年‥‥。
全国の読者の横隔膜と出版業界を震撼させた伝説の愉快本、「言いまつがい」の新刊がついにリリース!
しかも、まさかの2冊同時発売!
装丁はもちろん、祖父江慎(コズフィッシュ)!
挿絵はとうぜん、しりあがり寿
連載1000回を数えようかという、「ほぼ日」名物の長寿コーナーから厳選に厳選を重ねた爆笑ネタを1冊につき700個、これでもかこれでもかと詰め込みました!
編集しているスタッフも深夜に笑いが止まらなくなるクオリティー!
自信を持っていえます。そうとう、おもしろいです。いや、ほんと。
内容はもちろんですが、前作同様、装丁もかなり「まつがって」ます。
いま、印刷所のおじさんたちが頭を抱えてるところです。
つまり、内容・装丁ともに保証付きの1冊! いや、2冊!
「発売日に間に合うかな?」ということ以外はまったく不安がない!
否が応でも笑いが止まらない本を、あなたに!

ほぼ日刊イトイ新聞」の人気連載から選りすぐった「言い間違い」が、「金」「銀」各700本ずつ収録されている本。
僕はこういう本って、あんまり笑えないことが多いのですが、この『言いまつがい』には、何度も噴き出してしまいました。
期待して、集中して読むとそれほどじゃないのかもしれませんが、ちょっと時間があるときに、パラパラとめくってみるには最適なのではないかと。
あるいは、ちょうど今日のように、ゴールデンウィークも終盤になり、ああ、なんだか今年のゴールデンウイークも、あんまり面白いことなかったなあ、と軽く憂鬱な気分になっている状況には、よく「効く」本でしょう。
「悪意のない言い間違い」っていうのは、ある意味、「もっとも罪のない、誰も傷つけない笑いのネタ」であるような気がしますし。


この本を読んでいると、何気ない場面での「言いまつがい」よりも、「緊張する場面、厳粛な場面での言いまつがい」のほうが、よりインパクトがあるように思われます。
「結婚式の言い間違い」なんて、もう「定番」ですよね。

 知り合いの結婚式に行ったとき、新郎のお父さんがスピーチの前に神妙な面持ちで、
「いまだ半人前の2人ですが、2分の1かける2分の1が1であるように、お互いを支えながらがんばってくれると信じています」
とのたまった。
 かけ算したら4分の1になっちゃうぞ。

 会社の同僚(女性)の結婚式は仲人を立てず、パーティーの席上、参加者の皆さんの前で誓うという「人前結婚式」(じんぜんけっこんしき)でした。宴もたけなわとない、締めの乾杯に指名された新婦のおじさん、かなり上機嫌かつ感極まって
「わたしは、このような立派な人面結婚式に感動しました!」
新婦をはじめ、ぷっと吹き出した人は数知れませんでした。

いずれも、間違った本人にとっては、穴があったら入りたい気分だった(あるいは、本人も気づいていないのかな)のでしょうが、もし自分が列席していたら、かなり微笑ましい気分になっていたのではないかと思います。


また、この本の特長としては、「各巻700個」という圧倒的な物量と、「ネタの配列のうまさ」も挙げられます。

『ターミナル』を見た後に母が一言。
「やっぱり名優よねぇ、ハム・トンクス!」
……かあちゃん、豚じゃないんだから。

 うちの母が映画館から帰る途中、
「映画良かったわねえー、あの俳優、なんだっけ? そう! トム・サンクス!」
と言って家族を笑わせてくれました。トム、ありがとう!

「そんなんじゃ、トム・ファンクス・ハン失格だよ!」
「ん?」
……きっと、「トム・ハンクス・ファン」と言いたかったのでしょう。

 そういえば、ドリー・ファンク・ジュニアとテリー・ファンクは、いまごろどうしているのでしょうか……
 個々は大したことが無いネタでも、これだけ続けざまに出てくると、つい笑ってしまいます。
 有名な俳優さんなので、話題になる頻度が多いのはまちがいないのでしょうが、簡単そうでも、「なんとなく間違えやすい名前」って、あるみたいです。

 最後に、ちょっといい「言いまつがい」に関するエピソード。

 弟の名前は「崇史」と書いて「たかふみ」と読みます。ふつう「たかし」と読むので、知らない人に一度で正しく読まれたことはありません。
 数年前、その弟がお嫁さんの知り合いの神父さんの教会で結婚式を挙げました。
 荘厳な雰囲気の中、例のお決まりの誓いの言葉を言う段になった時、神父さんが、ご多分に漏れず新郎の名前を「たかし」と読みまつがいました。
 弟は緊張していたのか、または「いつものこと」と思ったのか、何も言わず黙っています。
 とその時、純白のドレスに身を包んで静かに新郎の横に立っていたお嫁さんが突然声を上げました。
「たかふみです!!」
 ……良いお嫁さんをもらったな、と思いました。


国家元首や会社の偉い人は、そういうわけにもいかない場面も多いのでしょうが、お互いの「言いまつがい」を笑いあえるのが、「良い関係」なのだろうな、そんなことを考えながら読みました。

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