琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

ウォール・ストリート ☆☆☆


<ストーリー>
2001年、8年の服役を終えたゴードン・ゲッコー。カリスマ投資家の面影は消え、すっかり過去の人と成り果てていた。そして2008年、ウォール街の若き金融マン、ジェイクの会社が突然破綻した。心の師である経営者は自殺し、ジェイク自身も資産を失ってしまう。それが金融業界の黒幕ブレトンの陰謀だと知ったジェイクは、復讐を誓い、ゲッコーに助言を求める。しかし、ゲッコーはジェイクの最愛の恋人ウィニー父親でもあった。ゲッコーは絶縁状態のウィニーとの仲を取り持つことを引替条件に、ジェイクと手を組むことに同意するが…。

とにかく、マイケル・ダグラスさんが元気そうで何よりでした。
この映画、劇場公開されたときの評判があまり芳しくなくて、気になりながらも映画館では観なかったのです。
今回DVDになったので自宅で鑑賞してみました。
前半はけっこう面白いんですよ。僕には縁遠い「ウォール街と、そこに生息する人々の生態」を垣間みられたような気がして。
でも、最後まで観て、評判が今ひとつだった理由もわかりました。

ひとつは、主人公の「仕掛け」が、ひたすら上手くいきすぎる点。
2時間あまりの上映時間でまとめるためにはどうしようもなかったのだろうけど、いくらなんでも、あんな若造が流した噂で、あんなにうまくみんなが踊ってくれるものなのか?
そんなに簡単なものなら、市場って、ああいうデマで揺れ動きまくっているのではないでしょうか。
しかも、主人公、あんまり優秀にはみえないし。

そして、マイケル・ダグラス演じるゲッコー。
前半は、「どうしたゲッコー、老いたな……」
という場面が多いのですが、さすがはゲッコー、そうだよ、そうじゃないと、らしくないよ!振り回される主人公とその恋人には申し訳ないけれど、そう簡単に「好々爺」になられたら興醒めです。
しかしながら、最後になんとなく中途半端な「妥協」が……

なんか、映画としては、消化不良な感じなんですよね。
主人公にも、ゲッコーにも感情移入しにくいし。
というか、感情移入できるような登場人物はいないし。

「お金」が主人公で、その魔力にとりつかれた人たちの物語で、「雰囲気」は良いんですよ。
でも、いろんな意味で、「中途半端な映画」になってしまっています。

堀江貴文・元ライブドア社長の収監という話題もあり、最近TSUTAYAでのレンタルランキングでも上位になっているのですけど、なんかスッキリしない映画でした。
スッキリしないから駄作、ということはないのでしょうが、この映画の終盤の展開って、「観客への媚び」が透けてみえるのです。
たぶん、オリバー・ストーンは、こんなラストにしたくなかったんじゃないかな……

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