- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: DVD
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[内容解説]
宝塚〜西宮北口間を約15分で走る、えんじ色の車体にレトロな内装の、阪急今津線。その電車に、さまざまな「愛」に悩み、やりきれない気持ちを抱えながら、偶然乗り
合わせただけの乗客たちがいた。―人気作家・有川浩が、阪急電車を舞台に描く、世代を超えた、さまざまの「愛」の物語。100万部突破の大ベストセラー「阪急電車」をファン待望の映画化!!
自分の愛に自信が持てないあなたに贈る、片道わずか15分のローカル線で起こる、小さいけれどあたたかい奇跡の物語。
わずか15分の短い区間、阪急今津線を舞台にした、有川浩さんの小説の映画化。
中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子、玉山鉄二、勝地涼、南果歩、谷村美月、芦田愛菜など、かなりの豪華キャストなのですが……
この作品のDVDを見終えての感想。
「映画館で観なくてよかった……これ、映画館で観ていたら、途中で寝るか帰るかのどっちかだったな……」
僕は原作小説も読んだのですが、「なんかおせっかいな人がたくさん出てくる小説だな、関西って、そういう土地柄なのかな……」というのと、最後の「生」のエピソードしか、記憶に残らない小説でした。
偶然同じ電車のなかで、すれ違った人たちの人間模様をうまく描いた小説ではあるんでしょうけど。
この映画版、僕はもう全然受けつけないというか、観ているほうが恥ずかしくなってきてしまったんですよ。
宮本信子さん演じる、「日本の正しいおばあちゃん」が、婚約者を奪われ、披露宴に復讐のための白いドレスで出席する女(中谷美紀)をなぐさめた挙げ句、こう言うのです。
これは余計なことかもしれないけれど、落ち着いたら、会社は辞めたほうがいい。
おばあさん、それ、まさに「余計なお世話」です!
しかも、宮本さん演じるおばあちゃんの「ありがたいお説教」に合わせて、感動的にこの映画のメインテーマが流れ始めます。
「ほーら、ここがこの映画の感動する場面ですよ〜おばあちゃん良いこと言ってるでしょ〜ほらほら泣いて泣いて〜」
そんな、制作側の声が聞こえてくるようです。
……観客をバカにしているのか?
宮本信子さんが真剣な顔でお説教したら、観客はみんな感動すると思ってないか?
しかも、その説教の内容が、薄い薄い。
世界のオカモトもびっくり!
僕が基本的に、濃密な人間関係を好まない、ということもあるのでしょうが、この映画、あまりにわかりやすい「善悪二元論」と、さきほど書いた「感動の押し売り」に辟易してしまいます。
電車のなかで騒いでいるオバチャンたちには腹が立ちますが、その一方で、あんなふうに食べ歩きにしか喜びを見出せない人生の暗黒面にも、目を向けるべきなんじゃないかと思うしね。
出てくるカップルのエピソードも、やたらと他人に話しかけ、説教したり、人生を語りたがる登場人物も、すべてがあざとく感じられました。
というかさ、原作の「生」のエピソードが入っていないというだけで、「とりあえず原作に沿って、『観客を感動させる脚本』を書いてみました」という脚本家のやっつけ仕事っぷりが伝わってくる映画です。