琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

2012年「ひとり本屋大賞」発表

※これは僕が個人的に行っている企画で、「本屋大賞」を運営されている方々とは、何の関係もありません。念のため。


参考リンク:「本屋大賞」公式サイト
「2012年本屋大賞」は、本日、4月10日の19時から発表会が開かれます。
twitterUstreamを使った中継も予定されているそうですよ。


というわけで、今年も人の迷惑かえりみず、やってきました電線軍団!
もとい、「ひとり本屋大賞」!
僕が候補作全10作を読んで、「自分基準」でランキングするという企画です。
あくまでも「それぞれの作品に対する、僕の評価順」であって、「本屋大賞」での予想順位ではありません。
本屋大賞」の授賞予想は、このエントリの最後に書いています。


では、まず10位から4位までをザーッと。


第10位 プリズム

プリズム

プリズム

↑の感想はこちら。
そもそも、これがノミネートされてしまったことが悲劇というか謎だとしか言いようがない……



第9位 くちびるに歌を

くちびるに歌を

くちびるに歌を

↑の感想はこちら。
どうしたんだ『本屋大賞』。
いくら覆面作家中田永一さんの正体が●●さんだと言われているからって、いくら本を売りたいからって、最近の「書店員の推薦文句」って、あまりにハイパーインフレ化しすぎてないかい?



第8位 誰かが足りない

誰かが足りない

誰かが足りない

↑の感想はこちら。
綾辻エヴァンゲリオン」(『Another』)の次は、「宮下エヴァンゲリオン」か……



第7位 偉大なる、しゅららぼん

偉大なる、しゅららぼん

偉大なる、しゅららぼん

↑の感想はこちら。
万城目さんの作品、どんどん長く、そして、つまらなくなってきているような……



第6位 ユリゴコロ

ユリゴコロ

ユリゴコロ

↑の感想はこちら。
オチは途中でバレバレだし、登場人物には感情移入できないし、手記は気持ち悪いし……なんですけど、「この物語を最後まで見届けたい」という気分になってしまう作品でした。なんか「引っかかる」作品なんですよ、良くも悪くも。
書店員さんに大人気の沼田さんなのですが、もし「本屋大賞」を獲るのなら、この作品じゃないほうが良いんじゃないかなあ。



第5位 人質の朗読会

人質の朗読会

人質の朗読会

↑の感想はこちら。
こういう作品がノミネートされていると、「本屋大賞」の良心を感じます。
でもまあ、「大賞」に押すには、ちょっと地味すぎるかも。『博士の愛した数式』とか『猫を抱いて象と泳ぐ』のあとですし。



第4位 ピエタ

ピエタ

ピエタ

↑の感想はこちら。
この作品を読めたのが、今回の「ひとり本屋大賞」最大の収穫だったかも。
ただ、率直なところ「男には一生うまく読めない小説」のような気もするんですよね。



さあ、いよいよベスト3。


第3位 舟を編む

舟を編む

舟を編む

↑の感想はこちら。
「紙の本が好き」「辞書をつくるという仕事に興味がある」「三浦しをんさんの作品が好き」のいずれかにあてはまる人にとっては、「読んで損はしない作品」でしょう。



第2位 ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち

↑の感想はこちら。
表紙の栞子さんの絵に負けた……
まあ、なんというか、「本好きの内向的男子」には、たまらない本ではありますね。
でも、これが2位であるという事実が、僕にとっての今年の「本屋大賞」のレベルをあらわしている、とも言えますね。




第1位 ジェノサイド

ジェノサイド

ジェノサイド

↑の感想はこちら。

うーん、これは凄い。

実は、前半3分の1くらいまでは、「なんか専門的な話が多くて(とくに日本の古賀研人パートは)、ちょっとかったるいな」と思っていました。
でも、『ネメシス作戦』の真実が明らかになるにつれ、作者の「発想力」に引き込まれていきました。
いやあ、こういう「エンターテインメント小説」で、ここまで「唖然とさせられた設定」は久しぶりに読んだような気がします。
これが「トンデモ妄想系お笑い小説」にならなかったのは、ひとえに作者の高野和明さんが「大きな嘘のために、ものすごくたくさんの小さなデータや事実を積み重ねていった」努力と細心の注意の賜物だと思うんですよ。
「このくらいの壮大な大法螺になら、騙されてみてももいいや!」と清々しい気分になれたのは久しぶりです。


「リアリティ」を追究するあまり、どんどん物語のスケールが小さくなり、「ディテール重視」になっていく傾向を、僕は最近感じています。
ネットの力で検証されやすいこともあり、エンターテインメントまでが「リアルで小さな物語」と「ディテールにこだわらない大きな物語」に二極化するなか、この『ジェノサイド』は、スケールの大きさとディテールを見事に「両立」しています。


以上、2012年「ひとり本屋大賞」の発表でした。
実際の「本屋大賞」の順位とのギャップを、どうぞお楽しみに!


しかし、今年の「本屋大賞」、ノミネート作を読んでいて、かなりうんざりしました。
『誰かが足りない』『くちびるに歌を』『プリズム』と続いたときには、ほんとうにつらかった。
これらの作品のとりえは「あんまり長くなかったこと」だけのような……
正直、「本当にこれを読んで、面白い、お客さんに薦めたいって思ったのか?」と。
あとは、「本に関する本」が2冊(『舟を編む』『ビブリア堂古書店』)ノミネートされました。
今年のアカデミー賞で、昔の映画に関する映画『アーティスト』『ヒューゴの不思議な発明』が多くの賞を獲得しましたが、それと同じように、「身内びいき」みたいな印象も受けました。
幸いなことに、読んでみると、この2作は、今回の候補作のなかでは、かなりの良作だったとは思います。
ただし、僕も「書店側」っぽい人間なので、あんまりアテにされると困りますけど。


個人的には、そろそろ「本屋大賞」も賞味期限切れというか、「書店員が売りたいと思った本を推す賞」というより、「書店員が売れると思った本を推す賞」あるいは「書店員が好きな著者を応援するだけの賞」になってしまっているなあ、という印象がありました。
そもそも「日本の小説」だけではなくて、「ノンフィクション」とか「翻訳もの」だって、ノミネートされていいような気がするんだけど。
そういう意味では、文庫でノミネートされた「ビブリア堂古書店」は、ひとつの扉をひらいた、とも言えますね。
逆にいえば、そんな規定はないはずなのに、「日本人作家の単行本になっている小説」という縛りがいままで維持されてきたことのほうが異常なんですよね。


さて、最後に個人的な評価を抜きにしての「受賞予想」を。

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち
〇ジェノサイド
×ユリゴコロ

今回は「予想」としてはかなり自信アリ、です。

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