琥珀色の戯言

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タイタンの逆襲 ☆☆☆


あらすじ: 魔物クラーケンを倒してから10年、ペルセウスサム・ワーシントン)は男手一つで息子を育てていた。そんな折、神々とタイタン族の地上の支配権をめぐる戦いは日ごとに激しさを増していく。神々の王ゼウス(リーアム・ニーソン)と人間の母の間に誕生したペルセウスは、冥界の王ハデス(レイフ・ファインズ)の父への裏切りを知り……。

参考リンク:映画『タイタンの逆襲』公式サイト(注:音が出ます)


2012年14本目の劇場鑑賞作品。
2D版を火曜日のレイトショーで観たのですが、僕も含め、観客はわずかに3人。
3D版だから観客が少なかったのか、それとも、「こんなもの」なのか……
平日の夜とはいえ、公開初週なだけに、あまりにも少なくて驚きました。
このあいだの日曜日には、前作『タイタンの戦い』をテレビ放映していたのに。


もっとも、前作をテレビで観たからといって、この続編に食指が動くかどうかは微妙なところですよね。
そもそも、テレビ画面だと、この映画の唯一のウリである「巨大な敵の迫力」が伝わりにくいからなあ。


今回、「まあとりえず」という感じで観たのですが、いろんな意味で、「期待を裏切らない映画」ではありました。
3部作くらいの映画って、2作目くらいがいちばん面白いことが多いのです。
ロード・オブ・ザ・リング』では、第1作は、どうしても登場人物や舞台背景の説明をしなければならなかったし、第3作は「結末」に収束させなければならない。
それに比べて、2作目って、けっこう好き勝手やれますからね。


それにしても、この映画の「説明の端折り方」はすごい。
主人公が「でも、俺は神とともに戦うより、息子のそばにいる!」と一大決意を述べた5分後には、あっさり、「父・ゼウスを助けに行く!」と方向転換。
ストーリー展開も、100分映画らしく、まとまっています。
劇中、ある人物が、「ここには数百、いや数千もの扉がある。だが、目的地にたどり着けるのは、そのうち一つだけだ。それを探し出すには、先入観を捨てなければならない」と主人公一行にアドバイスをします。
それを観ていた僕は、「おお、『インディ・ジョーンズ』のクライマックスみたいな「正しい扉を探す緊張感あふれるシーン」が繰り広げられるんだな。どれが「正解」なんだろう?と、ちょっとワクワクしていたのです。


ところが……
「おお、これこれ、この扉」
ある人物、いきなり主人公に正解を教えてしまうのです。
うーん、それって「見せ場」っぽいのに……


登場する敵たちの「巨大化」も見どころのひとつです。
しかし、「ボスキャラの巨大化」がセールスポイントになるというのは、なんだか初期のファミコンソフトみたいだよなあ。
おまけに、大ボスはなかなか姿を現さず、出てきたと思ったら、遠景からの像ばかり。
さんざん出てくるまでに勿体ぶっているわりに、出てきたのは単体巨神兵……しかも、ベタな攻撃ですぐにやられます。
ああ、コイツが登場すると、お金かかるから、あんまり長く登場させられないんだなあ……
そんな、制作側の懐事情まで伝わってくるのが悲しい。
この映画、一言でいうと、『激安ロード・オブ・ザ・リング』って感じです。
それでも、映画館でも、DVDレンタルでも、ほぼ同料金、なんだよねえ。


けっこう悪口書いてしまいましたが、僕はこのシリーズ、けっこう好きなんです。
「ファンタジー・エンターテインメント」として、気軽に観られて後に何も残らない。
このストーリーだと、さすがにもう続編はなさそうですけど。

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