2012年最後のエントリということで、今年書いたもののなかで、僕自身の思い入れが強いもの、反響があったものをまとめておきます。
出版社が電子書籍に積極的になれない「もうひとつの理由」 (1/5)
この「本のニセ金化」が、日本で新刊の電子書籍化が進まない大きな理由であるならば、なんとかしてもらいたいものですが……
ただ、電子書籍化によって「書店」がさらに消えていく、というのは、寂しくもありますね、やはり。
『スマイリーキクチ事件』から、何も学ぶことができなかった人々へ (1/21)
『スマイリーキクチ事件』、先日再現ドラマ化されていたそうです。
あの事件から、ネットが過ごしやすい場所になったかというと……うーん……
結局のところ、利用する人それぞれが自制していくしかないんでしょうけどね、ネットを、いっそう息苦しい場所にしないために。
僕は「フィクションに騙されて、現実逃避したいバカ」です。 (1/22)
この件に関しては、いまも「正解」があるのかどうか悩んでいるのですが、ひとつだけ言っておきたいのは、好むと好まざるとにかかわらず、ネット上、いや、この世界には「実話のフリをしたフィクション」がたくさんあって、あなたをどこかに連れていくための武器にされているということです。
それは、知っておいてもらいたいな、と思います。
僕も日々戦々恐々としながらネットと現実を渡っています。
香山リカさんを「無能」と切り捨ててしまうことへの違和感 (2/1)
このエントリ、けっこう叩かれもしましたが、それぞれの人の「事情」みたいなものを考えてみるのって、けっこう大事だと僕は思っています。
いまはまさに「新しい、小さなリーダーシップ」=「日常の決める力」の時代なのではないかと思うのです。
相手に気を遣っているつもりで、優柔不断なだけだった僕の前半生を振り返りつつ。
「自分のいる場所」を再確認することって、本当に大切なことだと思います。
ネットでは、自分を大きく見せたくなりがちだから。
「ポジティブ」と「ネガティブ」に振り回される人たち (4/6)
いやほんと、「どっちでもいい」んですよね結局。問題は「実際にやるかやらないか」だけのことで。
もちろん、「考え方が変われば、行動が変わる」こともあるのだろうけど。
『虚構新聞』もこの時期、橋下さんを題材にしたパロディで「炎上」していましたねえ。
でも、半年すればあっさり「鎮火」しているので、結局、曲げずにやり続けたもの勝ち、ということなのでしょう。
「言論の自由について議論する場所ではありません」 (7/22)
「世の中には、もっと怒りをぶつけるべきこと、戦争や犯罪、貧困などがたくさんあります。映画のレビューにぶつけないでください」
「と学会」がやってきた検証作業は、いま、ネットでリアルタイムに行われることが主流となっていて、「大ネタ」は本に書くときには、鮮度が落ちてしまう。
初期は「社会正義」とか「啓蒙活動」的なモチベーションからはじまっていたと思われる「と学会」が、ちょっとした「権威」になって、活動を継続するために「つっこみやすい本をえらんでつっこむという手法」が目立つようになってしまった。
……実は、この「と学会」が歩んできた道って、いままさにインターネットが「後追い」しているように思われるのです。
「自分が本当にやりたい仕事をやっている」人にとっては、どんなキツイ労働条件でも「ブラック」じゃないのかな、と感じたり、そんな「オタクの純真」を利用し尽くして商売をやるっていうのは、ちょっとズルいよな、と思ってみたり、「仕事」っていうのは、「客観的な評価」が難しいものだなあ、とあれこれ考えさせられた番組でした。
「ごちそうさま」が不快な店員、客のボヤキに過剰反応する社長 (10/23)
知らなかったほうがよかった、働いている側の真実!
「そんなことないですよ!」という反応が多くて、とりあえず安心しました。
こういうのが「聞こえてきてしまう」のは、ネットの怖いところだよねえ。
<総括>
後半は、ネット関係の言及は、別ブログに書くことが多くなってしまったので、少なくなっています。
来年の『琥珀色の戯言』は本と映画の感想ばかりにしてしまうのか、これまでどおりのごった煮状態でいくのか、まだ思案中です。
今年は、本に関しては電子書籍の話題、ネットに関しては、SNSなども含めて「ネットでの他者との関係」があらためて問われる年になりました。
facebookの普及とmixiの減速、LINEの勃興など、話題も尽きません。
それにしても、長年やっていてあらためて思うのは、結局、ツールがどうあれ、悩みのタネは「人間関係」なんだなあ、ということですね。
Twitterも続いております。
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それでは皆様、よいお年を!