- 作者: 岡本真
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/12/18
- メディア: 新書
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内容紹介
ウェブやSNSで、ちょっとしたお知らせや紹介文を書くことは、誰でも日常的なことになってきました。文章を「紙で読む」ときと、「ウェブ上で読む」とき、私たちの読み方は、大きく違います。当然、そのための書き方のコツも違います。そのためには何が大切でどう書けばいいのか? 本書は 「ウェブに文章を書く機会のある」すべての人に向けた「すぐに使える入門書」です。(講談社現代新書)
内容(「BOOK」データベースより)
「Yahoo!知恵袋」生みの親がわかりやすく語る!ウェブにはウェブのルールとコツがある。
「なるほどなあ」というのと、「書いてあることは理解できるけど、タイトルからイメージする内容とは、ちょっと違ったな」というのと。
正直、このタイトルを見て書店で購入した際には、「ブログやSNSなどで、多くの人に読んでもらえる(アクセスしてもらえる)文章術」みたいなものを期待してしまっていたんですよね。
でも、この新書がターゲットにしているのは、文字通り「企業サイトなどで、一般の人向けとして、ウェブに『お知らせ』を書く立場の人」なのです。
もちろんそれは、個人ブログなどでも、「目につきやすい、誤解を招かないための文章技術」として役立つものではあるのですが、かなり地味な感じではありますね。
でも、「地味」なだけに、「ウェブで文章を書く人が、最低限知っておくべきこと」でもあるわけで。
「必要十分条件」ではないけれど、「必要条件」ではある。
実はいちばん大切なことは、とても単純で明快です。それは、「読者の立場になって考える」という一点です。
私たちは、忙しい日々の中、テレビやラジオ、新聞や雑誌、本やマンガといったさまざまなメディアに接しています。
そして、これらのメディアに加えて、ウェブと接しています。ウェブと接する時間が急速に増えるにつれ、ウェブを通して接する情報も急速に増えています。
膨大な情報をさばくために、私たちは意識して、あるいは無意識に情報の選別、選択を行っています。
見出しだけを見て、内容がぱっとわかりやすそうな記事をクリックしていますし、話題の新サービスを訪れ、ひと目でなにができるのか、なにをすればいいのかがわかりやすそうなものを使うようにしています。
逆に見れば、見出しが目にとまった瞬間に内容を推測しにくい記事をクリックしませんし、使い方がわかりづらそうなサービスを再び訪れたりはしません。
自分自身がこうした行動をとっているわけですから、みなさんが発信する情報も、同じように扱われます。
その情報が目にとまった瞬間にわかりやすいものでなければ、みなさんの発信する情報は残念ながら取捨のうち「捨」のほうとして扱われてしまいます。
日本最大級のサイト『Yahoo! JAPAN』で、ずっとユーザーの矢面に立ってきた著者だからこそわかる、「見出しをつくる技術」。
僕自身、いわゆる「釣りタイトル」的な見出しに対して、「それでも、読んでもらえないことには始まらないからなあ」というのと「やっぱり、読んだひとが『騙された』と思うような見出しはダメだよなあ」という両面の感情があるのです。
そのあたりの「さじ加減」は非常に難しい。
でもまあとにかく、ウェブの場合は、「魅力的な見出し」と「情報を簡潔に、要点を抑えること」がとくに大事なんですよね。
文章の「クライマックス」は、書いている側のイメージよりも、ずっと前に持っていったほうがいい。
書いている側にとっては、自分の文章の最初が「スタート」でも、ユーザーは、そのサイトにたどり着くまでに、十分「ウォーミングアップ」をしているのだから。
著者は、ウェブでの文章の書き方の要点として、以下のものを挙げて、この本のなかで解説しています。
ウェブという媒体には、それに見合った文章の書き方があります。第3章で挙げた6点をもう一度振り返ってみましょう。
1.短文で書く
2.改行を入れる
3.箇条書きにする
4.リンクを用いる
5.画像を差し込む
6.変化を明示するこれらのことを意識していないと、どんなに名文であっても、そもそも目にとめてもらえず、読んでもらえないという結果になります。
読んでもらえなければ、いくらメッセージを文章に込めても、しかたありません。そして、読んでもらえなければ、みなさんが文章に込めたメッセージも伝わらないという残念なことになるのです。
この6点(もちろん、本書のなかでは、具体的な例もあわせて解説されています)、言われてみれば、ごくごく当たり前のことなのですが、ちゃんと意識できているかどうかと問われると、言葉に詰まってしまいます。
あえて冗長に書いたり、改行を減らしたりして「オリジナリティ」を演出するという方法もあるのかもしれませんが、それはあくまでも「基本を理解した上」でしょうし。
とりあえず、「仕事でウェブに文章を書いている人」「企業などの、公式ウェブサイトを運営している人」は、自分の知識の再確認をためにも、読んでみて損はしない新書だと思います。
当たり前のことって、意外と誰も教えてくれないものですしね。