琥珀色の戯言

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スター・トレック イントゥ・ダークネス ☆☆☆☆



あらすじ: 西暦2259年、カーク(クリス・パイン)が指揮するUSSエンタープライズは、未知の惑星の探索中に巨大な地殻変動に遭遇。彼は深刻なルール違反を犯してまで原住民と副長スポック(ザカリー・クイント)を救おうと試みるが、地球に戻ると船長を解任されてしまう。ちょうど同じ頃、ロンドンの宇宙艦隊データ基地が何者かによって破壊され……。

参考リンク:映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』オフィシャルサイト


2013年26本目。
金曜日の19時からの回を鑑賞。2D字幕版。
観客は僕ひとりでした……

スタートレック』に関しては「エンタープライズ号」という宇宙船が出てくるのと、ミスター・スポックというトンガリ耳でおかっぱ頭の論理&倫理のカタマリのような人が登場する、というくらいの予備知識しかなく、「いちおう、前作の映画は観ています」、というくらいの僕なのですが、この映画はそんな僕にも十分愉しめました。
これまでの『スター・トレック』のテレビシリーズも観てみたいなあ、と思ったくらいです。


もっとも、『スター・トレック』って何?というくらい、このシリーズに興味がなく、映画の前作も観ていないと、さすがに世界観に慣れるのがちょっと大変かな、という気がしますし、『スター・トレック』マニアにとっては「それ、ちょっと違う!」と言いたくなるようなところも少なからずあるみたいです。

まあ、すべての人にわかる、というのを目指すと、あまりに説明に時間がかかってしまいそうですし、それなりにアクションシーンとかも入れないと、『トレッキー』(スター・トレックのファンの総称)以外のSF映画ファンを呼べない、というのもあるのでしょうね。


この『イントゥ・ダークネス』は、ある意味、僕みたいな「ごく平均的なSF映画好き」には十分楽しめました。
行動力にあふれ、みんなを引っ張っていく魅力はあるの誰度、感情に流されやすく、危なっかしくてしょうがないカーク船長と、お互いに水と油っぽい性格ながら、だからこそお互いを尊重し合っているミスター・スポック。
ほんと、「自分に無いものを持っている人と、認め合って目的に向かっていく」というのは、フィクションの世界ではよくあるのだけれど、現実世界では、けっこう難しいんだよなあ、とか考えてしまいました。

そして、今回の敵役が、本当に「同情すべきなのか、憎んでいいのか、わからない」ような感じなんですよね。
すごく強くて合理的なんだけれど、敵味方というような情念が完璧に欠落してしまっているような行動パターンをみると、「これ、何なんだ?」という気がします。
(厳密には、同じ境遇の「仲間」には強い連帯感があるのだけれども)
でもねえ、この敵には敵なりの「理由」もあって、「迷惑だけど、こっちからすれば『身から出た錆』みたいなものだしなあ」などと考え込んでもしまうのです。


全編めまぐるしい展開で、敵と味方が入り乱れ、飽きないストーリー。
迫力のある映像と音楽。
ほんと、いい映画なんだよなあ、これ。
まあ、「結局、最初の作戦がいちばん良かったんじゃないか?」とか、いろいろ言いたくなる話でもあるんですけどね。
一般乗組員巻き添えにされすぎだろ……とか。


でも、本当に「観ていて楽しい、旧き良きSF映画を現代に甦らせた傑作」だと思います。
カークとミスター・スポックのかけあいも楽しいですし。
けっこうオススメですよ、この作品。

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