あらすじ
自らスター・ロードと名乗るトレジャーハンターのピーター・クイル(クリス・プラット)。ピーターは無限の力を持つパワーストーンのオーブを入手するものの、その後逮捕され刑務所にぶち込まれてしまう。ピーターは天才メカニックのロケットら刑務所で出会った仲間と脱獄するも、オーブの力で宇宙を滅亡させようとする強大な悪と戦うこととなり……。
参考リンク:映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』公式サイト
2014年32本目の劇場での鑑賞作品。
平日の夕方からの回、3D吹き替え版で、観客は2人だけでした。
アメリカでは大ヒットしているらしいのですが、日本ではちょっと興行的には厳しそう。
この映画、5人のキャラクターたちが、強大な悪と戦う、という物語なのですが、この5人(人……じゃないほうが多いかもしれない)、主人公を除いてはかなり個性的、なんですよね。
「コミュ障」5人組!
「出会って5秒で殺し合い」の仲間たち!
「カッコいい」とか「正義の味方」じゃないとしても、映画の主人公というのは、「悪党でも魅力的」なはずなのだけれど、この『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の主人公たちは、「友達がいなさそう」な連中なんですよ。
その連中が、「仲間意識」で繋がっていくところは、ちょっと泣けました。
そうか、こんな主人公がいてもいいんだよな、って。
そんなに驚くような展開があるわけでもなく、宣伝で受けるイメージほどユーモアに溢れているわけでもなく、むしろ、映像や音楽が丁寧に仕上げられているなあ、と。
ちょっと懐かしい洋楽がふんだんに使われているんですよ。まさかSF映画で、10ccのあの曲を聴くことになろうとは……
そういう、「ちょっと懐かしい音楽」とか、これまでのSF映画へのオマージュっぽいところとか、もし僕がアメリカの1980年代とか、SF映画に詳しかったら、もっと楽しめたのかもしれないなあ、と思いながら観ていました。
あらゆる面で平均値は超えているのですが、目新しいのは、動くアライグマくらいかなあ、と。
このアライグマ、日本語吹き替え版では加藤浩次さんが声をあてていて、けっこう上手いし、キャラクターに合っているとは思うのですが、困ったことに「いちいち『めちゃイケ』の加藤浩次さんの姿が浮かんできてしまうのです。
とくに悪いところというか、けなしたくなるようなところはないのだけれども、その一方で、飛び抜けて「この映画じゃなくちゃ!」ってところもない。
かなりレベルの高い映画化で、アメコミ映画好きにはたまらないと思います。
そうでない人にとっては、映画館で正規料金を払うと、「わざわざ映画館で観るほどでもなかったかな……」という感じで、レンタルDVDで観ると「ああ、これけっこう面白かったな。レンタルで観る映画としては合格!」くらい。