琥珀色の戯言

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【読書感想】ゆかいなお役所ごはん ☆☆☆

ゆかいなお役所ごはん (星海社COMICS)

ゆかいなお役所ごはん (星海社COMICS)

内容紹介
お役所の職員食堂でごはんを食べよう! 新鋭・くらふとが贈る新感覚グルメまんが!
おいしくごはんをいただきながら、看板メニューや独自の取り組みについてお話をうかがえば、「お役所」の硬いイメージもあら不思議……あっという間にゆかいなものに。星海社WEBサイト『ジセダイ』で連載中のゆかいなグルメまんが、待望の単行本化!!


 書店でオススメされているのを見かけて購入。
 100ページちょっとの薄めの「お役所の食堂ガイドマンガ」です。
 東京近辺のお役所の職員食堂がメインなので、これを博多で「オススメ」にするってどうよ?と思いつつ読みました。
 まあ、どっちにしても僕の場合は「ランチで外に出かける」という機会はあまりないんですけど。
 それでも、「日頃行かない職員食堂」には、どんなメニューがあるのか、どんな人がどんなことを考えてメニューをつくっているのか、というのは、興味深く読めました。
 職員食堂といっても、この本で紹介されているところは、「一般の人たちも利用可能」なのですが、立地や知名度などによって、「職員と一般のお客さんが半々くらい」あるいは「混むので職員の利用が減ってきている」という話もあれば、「9割が職員」だという食堂もありました。
 どこも、そんなに珍しい、特別なメニュー満載、というわけではないけれど、同じメニューを街中の食堂で食べるよりは少し安くて(学食レベルに安い、というわけではないみたいです)、健康に気を配った料理や、地産地消を意識した食材の使用など、「お役所らしさ」もうかがえます。
 ちなみに著者は、「印象に残ったこと」のひとつとして、「ふだんの食べ歩きでは、ネットでの評価は高いけど、実際はそれほどでも…というお店がけっこうあるけれど、お役所ではそういう『はずれ』は無かった」というのを挙げています。


 メニューに関しては、横浜市役所の職員食堂の、蕎麦の「富士山もり」なんていう個性派(蕎麦1kg!)や「農林水産省職員食堂」の国産食材を使った料理(本当においしそう!)などが印象に残りました。
 一般人も入れるんですね、農林水産省の食堂って。
 たしかに、これを読んでいると「農林水産省の意地」が感じられました。
 総料理長の伊藤さんの腕と気概あればこそ、なのでしょうけど。


 この農林水産省職員食堂で「鯨竜田揚げ」が出てくるのですが、

 クジラの竜田揚げ、筆者は初めて食べます

 という言葉に、小学校の給食で、なかなか噛み切れない鯨肉と毎月格闘していた僕は、時代の流れを感じずにはいられませんでした。
 なかなか飲み込めずに、口の中に入れたまま家まで帰ったこともあったんですよね。
 今の若者は、「鯨の竜田揚げなんて、食べたことがない」のが普通なんだろうな……
 この食堂で食べれば、あるいは、いま食べれば、美味しいのかな、鯨の竜田揚げって。


 2015年5月の発行なので、ちょっと情報が古くなっているところもあるかもしれませんが、東京近郊に住んでいて、ランチに普通の定食をお金をかけずに食べたい、という人にとっては、実用的な本でもあると思います。
 いろんな場所の「台所事情」っていうのは、面白いですよね本当に。
 僕にとっての職員食堂の長所は「そこそこの味とボリュームがあって安いこと」で、難点は「知っている人がいる可能性があるので、周りに気を配るのがめんどくさいこと」なので、考えてみれば「他所の職員食堂」っていうのは、ベストな選択のような気がします(現状、昼食のために外に出るのは難しいんだけど)。


ゆかいなお役所ごはん(2) (星海社COMICS)

ゆかいなお役所ごはん(2) (星海社COMICS)

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