琥珀色の戯言

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【映画感想】ミックス。 ☆☆☆☆

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あらすじ
幼いころには天才卓球少女として名をはせた富田多満子(新垣結衣)は、恋愛と仕事に挫折して帰郷する。亡き母が経営していた卓球クラブは赤字に陥り、活気もなく部員もさえない面々ばかり。しかし多満子は、クラブを再建し自分を捨てた元恋人ペアを倒すため、元プロボクサーの萩原久(瑛太)とペアを組み、全日本卓球選手権の混合ダブルス部門に出場することを目指す。


mix-movie.jp


2017年の映画館での28作目。夕方の回で、観客は僕も含めて4人でした。
予告編を映画館で観たとき、僕の中では「映画館で観る必要はない映画」に分類したんですよね。
まあ、縁があったら、レンタルDVDで、という感じで。
予告編を観ただけで、どんな映画かわかったような気がしましたし、僕は基本的にラブコメって(というか「恋愛映画」全般が)あまり好きじゃないし。
にもかかわらず、なぜ結果的に観たかというと、とにかく、気分がちょっと明るくなる映画が観たくて、映画館で上映作品を眺めてみたら、これかな、と。
まあ、どんな映画かは観なくてもだいたいわけるけど、ガッキー(新垣結衣さん)が出てるし。


本当に「予告編を観たあなたが、こういう映画なんだろうな、と頭で思い描いた内容を裏切らない作品」だと思います。
新垣さんの演技も、『逃げるは恥だが役に立つ』ラインを踏襲しているのです。
新垣さんって、『くちびるに歌を』のような、クールビューティ系も演じられる人なのですが、この『ミックス。』は、『逃げ恥』のみくりさんが別の役を演じているような感じなんですよ。
だから悪い、つまらない、というわけじゃなくて、ベタであるということは、「最大公約数的に多くの人が、それなりに楽しめる」ということでもありますし、『逃げ恥』が、みくりさんが好きなら、この映画も楽しめるのではないかと。


予告編の時点では、「いくらなんでも、男女混合ダブルスでも、素人がそう簡単に勝てたり、全国大会に行けるわけがないだろう」って思っていたんですよ。
フィクションなのは承知の上で、無理筋すぎないか、と。
ところが、この映画を観ていると、「現実にはこんなことはありえない」のだけれど、ありえないからこそ、映画の中くらいは、こういう「逆転劇」があっても良いのではないか、と思えてくるのです。
主人公ふたりの最後のほうの行動なんて、あまりに身勝手すぎるだろそれ、って言いたくなるんですけどね。
基本的に、この映画の脚本って、「ベタなんだけど、観客が不快に感じそうなトゲを、ものすごく丁寧に1本1本抜いて、不快にならないようにつくられている」のです。
それは、のどごしの良さにつながっているのだけれど、観客にとって「記憶に残る要素」に乏しい、とも言えます。
でも、そこでガッキー、なんだよなあ。


本当にこれ、新垣結衣さん好きが、ガッキーを観るための映画、なんですよ。
新垣さんが嫌い、もしくは興味がない、という人は、「何このありきたりな安っぽいラブコメ……」という反応でも致し方がない。


ああ、ガッキーのガングロギャル、もうちょっと観たかったな、とか、やっぱりけっこう背が高いんだな、とか、いわゆる「不健康なモデル体型」じゃないんだな、とかあのシーンは『逃げ恥』へのオマージュなのか、とか、もうとにかく「ガッキーウォッチングのための映画」です。


しかし、どこの世界にガッキーを振る男がいるのか!
先日、ネットで高校生がはじめての告白の練習を新垣さん相手にやる、という話を読んだのですが、新垣さんは「私でいいんですか?」と仰っていたそうです。
いいに決まってるだろう!
僕も練習させてほしい!
でも、最初がガッキーだったら、人生のいろんなハードルが上がり過ぎて、かえって不幸になるかもしれないな……


というわけで、いま、なんだか気持ちが沈んでしまって、元気が出ない人や、気分転換したい人、そして何より、新垣結衣さんを観られれば幸せな人にはオススメです。
毒親だって、恋人や家族とうまくいかなくたって、誰にも認められなくたって、自分の人生を決められるのは、自分だけ。
あと、デビュー時からみてきた広末涼子さんが、こういうポジションで映画に出るようになったんだなあ、というのは、ちょっと感慨深かったです。


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