- 作者: 長江俊和
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/04/14
- メディア: 新書
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Kindle版もあります。
- 作者: 長江俊和
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/04/21
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内容紹介
決して調べてはいけない。見てはいけない。この世には知らない方がよいことがある。「くねくね」「カシマさん」「コトリバコ」など“検索厳禁”の凶兆の言葉、「エクソシスト」など恐怖譚に潜む戦慄の真相、古今東西の奇談に秘められた衝撃の事実、封印された風習や事件……遂にタブーの扉は開かれ、忌まわしい“恐怖”が今、明らかになる。『出版禁止』の人気作家が初めて書下ろした“史上最恐のホラー”が詰まった禁断の書。
この新書のタイトルをみたときには、「ああ、ネットで検索ばっかりして、自分で考えることが少なくなった現代人に警鐘を鳴らす本なのかな」と思ったんですよ。
あるいは、「検索すること」によって、自分の趣味嗜好などが解析されてしまうリスクを指摘したものなのか。
でも、実際に読んでみると、「この言葉をネットで検索すると呪われる、気分が悪くなる」というような都市伝説や実際に起こった事件を集めて紹介したものです。
これはこれで、好きな人にはたまらない内容なんでしょう。
まず代表的なものは、『グロ系であろう。“グロ”とは、グロテスクの略語である。テレビや映画と違って、インターネットには基本的に規制はない。よって、ネット上には悲惨な遺体写真や人体損壊の画像が、無数に散らばっている。中には、画像処理など施されることなく、目を覆いたくなる惨状が写し出されているものもある。この『グロ系』の「検索してはいけない言葉」は、検索すると、残虐な写真や映像を目にしてしまうという仕掛けである。ワード自体はメルヘンチックだったり、ユニークなものが多いのだが、その言葉の愉快さに油断して検索してしまうと、見たくもない悲惨な映像を開いてしまい、後悔するというわけだ。
『グロ系』の検索禁止ワードで代表的なものは、「グリーン姉さん」や「モタ男」であろう。
この後に、「グリーン姉さん」や「モタ男」についての説明も書かれているのですが、正直、わざわざ検索する必要はない、というか、読まなきゃよかった、というか……
たしかに、インターネットには「グロ画像」が無修正であふれているのです。
警告してくれればまだマシなのだけれど、なかには、いきなりグロ画像が表示されるサイトもありますからね……
また「くねくね」や「牛の首」のような「都市伝説的なもの」もネットにはあふれているのです。
また、著者が『奇跡体験!アンビリーバボー』のディレクターとして事件のVTRを制作したという『エレナ・究極のラブストーリー』も紹介されています。
ある医師が、重病の若い女性患者に恋をし、その女性が亡くなったあと、遺体と一緒に生活する、という話なのですが、僕もこの番組を見た記憶があって、発見されたときのエレナさんの遺体写真も、おぼろげながら覚えています。というか、これを読んで思い出してしまいました。いや、本当に「思い出してしまった」んですよ。
でも、著者が言うように、あの遺体写真がないと、この事件についてリアルに感じるのは難しいですよね……
ちなみに、この事件、「究極の愛」として、コーゼルさんという医師は無罪になったのですが、のちに当事者のひとりが隠されていた事実を発表しています。
コーゼルの行為が「究極の愛」なのか「究極の変態」なのかは分からない。でも、こんな出来事が本当にあったということに驚嘆した。
この話を読むと、「愛」と「変態」の違いはどこにあるのか、とか、これまで「愛」と呼ばれて賞賛されていたものごとのなかには、今の価値観でいうと「変態」に属するものも少なからずあったのではないか、とか、考えずにはいられなくなります。
『エレナ・究極の愛』を、あえてネットで検索するのは、僕もおすすめしません。
ネット以前は、マニアが図書館で調べるとか、テレビドキュメンタリーで採りあげられたものを観るとかしかなかった都市伝説や陰惨な事件のことを、いまや、ほとんどの人が身につけているスマートフォンで、すぐに知ることができるんですよね。
逆に、そういう噂の真偽や問題点も知ることはできるのだけれど、人って、見たいものを見てしまうところがあるからなあ。
著者は、自らがかかわっていた『大家族スペシャル』のこんな思い出を書いています。
編集される前の撮影された映像をスタッフが集まってみる試写の中に、こんな場面があったそうです。
ある地方に暮らす大家族。画面にはしばらくの間、大勢の子供に囲まれた、賑やかな家族の日常風景が映し出されている。だがある日の夕食のことである。高校生の長女の姿が、食卓になかった。穏やかそうな父が、兄弟たちに聞くと、テレビに出たくないと、部屋に閉じこもっているのだという。「みんな出るって約束したのにな」。そう言って父親は二階にある子供部屋に向かった。カメラも、その後を追う。
子供部屋のドアを開けると、ふてくされた長女が勉強机に向かって座っている。どうして食卓に来ないのかと父が尋ねると、「テレビに出たくないから」と言う。突然、父は豹変する。娘に平手打ちを浴びせたのだ。一発だけではなかった。二発、三発。「みんなでテレビに出ると約束しただろ」。そう言いながら、父親は長女を殴り始めた。慌ててスタッフが静止しようとするが、父親は聞く耳を持たない。娘は必死に許しを請うが、父親は容赦しない。彼女の服が破けても、暴行は続けられた。再びスタッフが止めに入ると、父親は鬼のような顔でカメラを睨みつける。
「撮るな」
怒鳴りつけるように言うと、スタッフを追い出し、力任せに子供部屋のドアを叩きつけた。閉じられたドアだけを映しているカメラ。中からは、娘を殴打する音と、「お父さんやめて」と懇願する声が響いている。やがて、その声も悲鳴に変わってゆき……。
場面は変わった。畳の一画に、ポタポタと血のしずくがこぼれ落ちている。カメラを振り上げると、食卓についた長女が、鼻血をすすり上げながら味噌汁をすすっていた。唇の端からも血を流し、味噌汁を口に含むと痛そうに顔をしかめている。何事もなかったかのように、夕食を囲んでいる大家族一同。父の表情は、もとの穏やかな顔に戻っていた。しばらくすると、父が言う。
「やっぱり家族は、みんな一緒が一番いいな」
どうやら異変は、その夜だけだったようだ。翌日からはまた、賑やかで楽しそうな家族の日常風景が映し出されていた。
もちろん、父親が豹変した件の場面は、放送されることはなかった。
それは、放送できなかっただろうな、とは思うのです。
でも、こういう事実がありながら、「大家族の素晴らしさ」をアピールするような番組がつくられているというのは、都市伝説以上に「怖い」と思うのです。
いや、大家族だから、こういうことが起こっているというわけじゃないんだろうし、世の中の「仲良し一家」だって、一皮むけば、こういうケースは少なからずあるのだろうけど。
万人向け、というわけではないし、読んで幸せな気分になる、ということもないのですが、こういうのが気になってしょうがない、という人は少なからずいますし(僕もどちらかというと、そっちの方の人間です)、興味を持たれた方は、手にとってみてください。
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