Kindle版もあります。
どこまでも、ゲームと一緒。
記念碑的ゲーム青春グラフィティ、奇跡の復活!●冗談じゃねーっつーの! 糞袋脱却!! 「脱却少年」
●ついに自分の部屋に筐体がやって来た「アストロ中年少年」
●中1からの親友・山田君との現在…「ピコピコ中年少年」
●ゲーム脳のまま38歳で車に挑戦「中年運転免許取得少年」
……などなど、どこまでも実話です! ! <単行本特別収録>
●自らの心象風景を静謐に描いた名篇「ー海へー」
読み終えたときの率直な感想は、「うーむ、なんとか一冊の本になるくらいの量の作品を描きあげた、って感じだな……」というものでした。
あの「ハイスコアガール事件」は、僕もいち読者として驚きましたし、なんでそんなことになるんだ?と疑問でもあったのです。
『ハイスコアガール』大好きでしたし、押切さんが昔のゲームをマンガに描くことで、オールドゲームファンも喜び、そのゲームの認知度も価値も上がる、という、「どちらにとってもお得」な関係だと思っていたのに……そもそも、使用許可をとるのは、マンガ家ではなく、編集者の職域なのでは……
この『ピコピコ少年EX』を読んでいると、最大のストロングポイントだった「昔のテレビゲームを描くこと」を奪われた押切さんの困惑と苦悩が伝わってくるのです。
ゲームメーカーへの取材や腐れ縁のゲーム仲間(この「山田」というゲーム仲間とのエピソードが、今作ではいちばん『ピコピコ少年』らしい、と言えると思います)の話、自動車免許取得に、心象風景……
自分がいちばん好きだったものたちから訴えられ、書類送検とかされたら、そりゃキツイですよね。
『ハイスコアガール』を描き切ったことで、かなり消耗してしまったみたいだし。
でも、押切さんは、マンガ家として生きていかなければならないし、新しい作品を描かなければならない。
そして、次々に発売される新しいゲームをプレイする気力も、まだ残っている。
40にもなって、と自嘲気味に自らの「ゲーマー人生」を振り返っておられるのを読んで、もう50も見えてきた僕は、ちょっとホッとしてもいるのです。
しかし、こんな年齢になるまで、テレビゲームをやる続けているとは思わなかったし、こんなグラフィックが見られるとは、『デゼニランド』のときには夢にも思わなかった……(ファイナルファンタジー7リメイクをプレイしながら)
正直、この『EX』単独でみると、これまでの『ピコピコ少年』シリーズの叙情とゲーム愛に比べると、期待はずれ、ではあるんですよ。
でも、これは押切さんにとって避けられない過渡期なのだと思うし、出た作品を買い支えることによって、また新しい作品を読むことができるのであれば、僕は買って応援したい。
うーむ、なんだか僕のなかでは、桜玉吉さんと同じようなポジションになってきたな……
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ハイスコアガール STAGE 1 (初回仕様版/1~4話) [Blu-ray]
- 発売日: 2018/12/19
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