琥珀色の戯言

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【読書感想】ピコピコ少年EX ☆☆☆

ピコピコ少年EX

ピコピコ少年EX

  • 作者:押切 蓮介
  • 発売日: 2019/05/18
  • メディア: コミック


Kindle版もあります。

ピコピコ少年EX

ピコピコ少年EX

どこまでも、ゲームと一緒。
記念碑的ゲーム青春グラフィティ、奇跡の復活!

●冗談じゃねーっつーの! 糞袋脱却!! 「脱却少年」
●ついに自分の部屋に筐体がやって来た「アストロ中年少年」
●中1からの親友・山田君との現在…「ピコピコ中年少年」
ゲーム脳のまま38歳で車に挑戦「中年運転免許取得少年」
……などなど、どこまでも実話です! ! <単行本特別収録>
●自らの心象風景を静謐に描いた名篇「ー海へー」


 読み終えたときの率直な感想は、「うーむ、なんとか一冊の本になるくらいの量の作品を描きあげた、って感じだな……」というものでした。
 あの「ハイスコアガール事件」は、僕もいち読者として驚きましたし、なんでそんなことになるんだ?と疑問でもあったのです。


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 『ハイスコアガール』大好きでしたし、押切さんが昔のゲームをマンガに描くことで、オールドゲームファンも喜び、そのゲームの認知度も価値も上がる、という、「どちらにとってもお得」な関係だと思っていたのに……そもそも、使用許可をとるのは、マンガ家ではなく、編集者の職域なのでは……
 
 この『ピコピコ少年EX』を読んでいると、最大のストロングポイントだった「昔のテレビゲームを描くこと」を奪われた押切さんの困惑と苦悩が伝わってくるのです。

 ゲームメーカーへの取材や腐れ縁のゲーム仲間(この「山田」というゲーム仲間とのエピソードが、今作ではいちばん『ピコピコ少年』らしい、と言えると思います)の話、自動車免許取得に、心象風景……
 
 自分がいちばん好きだったものたちから訴えられ、書類送検とかされたら、そりゃキツイですよね。
ハイスコアガール』を描き切ったことで、かなり消耗してしまったみたいだし。

 でも、押切さんは、マンガ家として生きていかなければならないし、新しい作品を描かなければならない。
 そして、次々に発売される新しいゲームをプレイする気力も、まだ残っている。

 40にもなって、と自嘲気味に自らの「ゲーマー人生」を振り返っておられるのを読んで、もう50も見えてきた僕は、ちょっとホッとしてもいるのです。
 しかし、こんな年齢になるまで、テレビゲームをやる続けているとは思わなかったし、こんなグラフィックが見られるとは、『デゼニランド』のときには夢にも思わなかった……(ファイナルファンタジー7リメイクをプレイしながら)

 正直、この『EX』単独でみると、これまでの『ピコピコ少年』シリーズの叙情とゲーム愛に比べると、期待はずれ、ではあるんですよ。
 でも、これは押切さんにとって避けられない過渡期なのだと思うし、出た作品を買い支えることによって、また新しい作品を読むことができるのであれば、僕は買って応援したい。
 うーむ、なんだか僕のなかでは、桜玉吉さんと同じようなポジションになってきたな……


ピコピコ少年

ピコピコ少年

ピコピコ少年SUPER

ピコピコ少年SUPER

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