琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

【映画感想】フォードvsフェラーリ ☆☆☆☆

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あらすじ
カーレース界でフェラーリが圧倒的な力を持っていた1966年、エンジニアのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)はフォード・モーター社からル・マンでの勝利を命じられる。敵を圧倒する新車開発に励む彼は、型破りなイギリス人レーサー、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)に目をつける。時間も資金も限られた中、二人はフェラーリに勝利するため力を合わせて試練を乗り越えていく。


www.foxmovies-jp.com


2020年、映画館での2作目。
平日の朝の回で、観客は10人くらいでした。


僕は昔から、「カーレースを題材にした映画やドラマ」が大好きなのです。熱烈なモータースポーツファン、というわけではなくて、セナやプロストマクラーレンで大活躍していた時代に、ブームに乗ってF1を観ていた、というくらいなのだけれど。

僕の場合、レースものとローマの歴史ものは、どんなに駄作っぽくても、観たくなってしまうんですよね。
そういう、「自分でも理由がわからないけれど、魅かれてしまうジャンルの映画」って、ありませんか?

『ラッシュ/プライドと友情』も良かったよなあ。
fujipon.hatenadiary.com


この映画を観ていると、アメリカ、という国が、自動車産業を自国の重要な歴史の一部と考えているのが伝わってきます。
日本では、これほどのお金をかけて、1960年代のレースの光景を再現するなんてことは、まずありえない。「フォードvsフェラーリ」なんて、もう半世紀も昔の話だし、こんなにお金をかけて元が取れるのだろうか、と心配になるくらいです。

今のF1のマシンの機能美は素晴らしいのだけれど、この時代のマシンもすごくカッコいい。この映画のなかでは、敵役のフェラーリなのですが、フェラーリの赤いクルマには見とれてしまいます。
そして、この映画の「主役」は、2人の大物俳優ではなく、フォード・GT40かもしれません。
数々の名レーシングカーが砂埃をあげながら走っているのを観ているだけでも、けっこう幸せな気分になります。
この時代のレースカーは、今の時代に比べると安全性が低くて、まさに「命がけ」だったことも伝わってくるのです。

最初のほうは、僕の弱点、外国人俳優の見分けがつかない、というのが炸裂してしまって、ドライバーのケン・マイルズとフォードの偉い人のアイアコッカを間違え、「なんであのドライバーがフォードの偉い人に?」とか思ってしまいました。

今のレースシーンを考えると、あるカテゴリーのチャンピオンチームに勝てる車を、90日間で作るなんていうのは不可能だと思うのですが(あのホンダでさえ、2019年シーズンにF1でふたたび勝つまで、かなり厳しい時期を過ごしています)、フォードが本気でやれば、本当にそれができてしまった時代があったのです。どんなにお金と技術をつぎ込んだのか。
映画の中では、ケン・マイルズのドライバーとしての開発能力のおかげのように描かれていますが、もちろん、それだけではなかったはず。ベースになる車が箸にも棒にもかからなければ、どうしようもないわけで。個人的には、フォードのエンジニアたちが、どうやって「90日間でフェラーリに対抗できる車」をつくろうとしたのかに興味があるのです。

いくらお金があるとはいえ、フォードは基本的に「大衆車を大量生産して安く大勢の人に売る」ことを社是とした企業であり、「レースにお金をかけること」への反発や、内部での意見の相違もみられるのです。

「レースに勝つこと」だけではなく、いや、勝つことそのものよりも、「ブランドイメージを損なわないこと」や「社長のご機嫌をとること」が重視される面もある。
「レースに勝つことがすべて」であるフェラーリとは違う。

この映画のある場面をみて、「ナチュラル・ボーン・レーサー」であるケン・マイルズのことを、もっとも理解していたのは、エンツォ・フェラーリだったのではないか、と僕は思ったのです。

「ひとりのレーサー」としてのケン・マイルズ、「レースを愛するものでありながら、レーシングチームを運営していかなければならない」キャロル・シェルビー、このふたりの関係は、なんだか、「古き良きアメリカ」そのもののようにも感じました。「努力、友情、勝利!」少年ジャンプかよ!でも、僕が子どもの頃は、たしかに、きちんと大ゲンカして、言いたいことを言い合って、そのあと仲間になる、みたいなことが信じられていた時代ではありました。

けっして、100パーセントのハッピー・エンドではないのだけれども、だからこそ、人々の心に残る物語というのもあるのでしょう。
ところで、映画の中では大歓声で迎えられていたけれど、『ル・マン』のあの結末、当時の人たちは、納得していたのだろうか。
今だったら、大ブーイングが巻き起こりそうなのだけど。


www.esquire.com

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