- 作者: 窪美澄
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 作者: 窪美澄
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内容(「BOOK」データベースより)
壊れかけた三人が転がるように行きついた、その果ては?人生の転機に何度も読み返したくなる、感涙の物語。
「ひとり本屋大賞」7作目。
前作『ふがいない僕は空を見た』は、僕にとってはどうも「しっくりこない」作品で、これも『本屋大賞』にノミネートされていなければ読むつもりはありませんでした。
前作も「セックス」とか「出産」とか、「ああ、わかりやすく感動のツボを押す小説」っぽかったのですが、今回のテーマは「自殺」。
真面目に、不器用に生きてきた主人公たちが家族関係に悩み、頑張っても頑張っても状況は好転せず、死を意識したところで、ニュースで近海に迷い込んできたクジラのことを知り……という話です。
「それで死なないような人は、たぶん、クジラなんか関係なく死なないよ」
僕は、そんなことを考えながら読みました。
僕自身、親であり、息子でもあるので、自分にもあてはまるなあ、とか、子供もこんなふうに思うのかなあ、なんて考えつつ読んだところもあるのですが、率直に言うと、最後のほうは「着地点」みたいなものがミエミエで、読んでいて「まだ終わらないのかなこれ……」と退屈で仕方がありませんでした。
読み終えたときには、なんかもう飽き飽きしていて。
なんだかさ、精神病の薬とか、産後うつとか育児ノイローゼとかを出してきたら「リアル」なんだと勘違いしているんじゃないか?
そして、彼らを「抑圧する側」の描写が、あまりにも極端で一方的なのも、なんだかとても読んでいて悲しかった。
真面目に、普通に生きていても、人ってこんなふうに追い詰められていくんだよなあ、と共感できるところもあったのだけれど、正直、「死にたい人の大安売り」みたいな小説だとしか思えなかったのです。
文章はうまい。追い詰められて行く人たちの心境も、伝わってくる。
でもさ、なんというか、あまりにも「ありきたり」。
「これで感動するんでしょ?ほれほれ」ってやられている感じ。
ファンの人には申し訳ない。
僕にとってこの作家さんは、読んでいるといろいろめんどくさいというかイヤなことを思い出させてくれるので、酷いことばかり書いてしまうのかもしれませんね。
「つまらない」というか「嫌い」なんだろうなあ、うーむ。