琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

『のだめカンタービレ』感想

http://wwwz.fujitv.co.jp/nodame/index2.html

 うーん、微妙なデキか……?
 のだめ役の上野樹里さんと千秋役の玉木宏さんはけっこうイメージに近いような気がするのだけれど、上野さんはもっと弾けてしまってもいいんじゃないかなあ、とちょっと思いました。あと、第1話にあんまり盛り上がるシーンが無いっていうのは、原作を知らない視聴者にとっては、やや厳しいかも。
 このドラマを観てあらためて感じたことなのだけれど、「表現」っていうのは難しいものですね。
 マンガの「のだめカンタービレ」では、「音楽をマンガで表現した」という点が非常に評価されているのですけど、じゃあ、実際に「音」を聴かせることができるテレビドラマのほうがやりやすいだろうな、と思いきや、このドラマを観てみると、それはかなり難しいものなのだな、と。
 のだめの「破天荒なのだけれども、聴いているものの心を動かす演奏」なんていうのは、文字でマンガの登場人物が喋っていて、演奏しているのだめの姿が描かれていれば、マンガの読者は頭の中に、その「のだめの演奏」を自分で解釈して流してくれるわけです。でも、テレビドラマでは、実際の「音」を流さないわけにはいきません。
 結果として、「で、こののだめの演奏って、どこがいいの?そんなに驚くようなものなの?」というようなちょっと嫌な感想を僕は抱いてしまいました。だって、のだめというキャラクターの力の源泉は、その「演奏」にあるわけですから。
 ドラマ的には、「実際の音でマンガで描かれている『のだめの演奏』を表現する」ことが難しいために、千秋のモノローグというか、のだめの演奏に対する解説が、実際の演奏を押しのけて延々と流れる、ということになってしまうのです。
 結局のところ、「各人の脳内天才ピアニスト」を圧倒できるような現実の音なんて、この世にはなくて、だからこそ、「文字で想像させる」というのは最強なのだ、ということなのでしょう。
 実際には聴こえないからこそ、聴こえてくる「音」も、あるのかもしれませんね。

インド旅行記 ☆☆☆☆

インド旅行記〈1〉北インド編 (幻冬舎文庫)

インド旅行記〈1〉北インド編 (幻冬舎文庫)

 中谷美紀さんが、「嫌われ松子の一生」の撮影後、インドに一人旅に出たときの日記をまとめた本。

嫌われ松子の一年

嫌われ松子の一年

↑の本を読んだときにも驚いたのですが、中谷さんという人は非常に感受性が豊かで文章も巧みな人みたいです。この「インド旅行記」も僕にはかなり興味深く読めました。
 ただ、この本に関しては、一般的な「旅行ガイド」とか「インドの魅力を紹介する本」というよりは、「女優・中谷美紀の内面を浮き彫りにしている作品」というふうに考えたほうがいいと思います。実際、インドに1ヶ月間も逗留できる旅行者はほんのわずかでしょうし、中谷さんは「ヨガ」という興味の核があればこそ、こうして長い滞在もできたのでしょうが、インドのローカルガイドや土産物屋との攻防や一筋縄ではいかない「めんどくさい人々」との交流を読んでいると、なんだか、読んでいるだけの僕のほうが日本に早く帰りたくなってしまったくらいです。まあ、それだけ「率直な旅行記」ではあるのですよね。
 中谷さんとインドに興味がある人には文句なくオススメできますし、中谷さんだけに興味がある人にもオススメして良いでしょう。ただ、「インドのことが知りたい」人は、「河童が覗いたインド」とか「インドでわしも考えた」のほうが良いかもしれません。これだけ「紹介されている場所に行くのをためらわせる旅行記」というのも珍しい。
 僕はこれを読んで、「とりあえずタージマハルだけ行って、そのまま日本に帰ってきてもいいかな」と思ったくらいです。

広島佐々岡「引退」申し入れへ

http://hiroshima.nikkansports.com/baseball/professional/carp/p-rp-tp0-20061016-104422.html

……というのは、ガセ!!
佐々岡さん本人によると、「最終戦が終わったら監督と話す」と言ったのが、勝手に「引退を申し入れる」というふうに解釈されてこのような記事になったみたいです。確かに今年の夏場の勝てない時期には「もう若手に切り替えてくれ」と監督に直訴したこともあったようなのですけど。
いや、東スポならともかく、日刊スポーツさん、この記事はあまりにいいかげんすぎませんかね?
カープは不人気球団だから、選手の去就など適当に想像で書いてもいい、ってことですか?
ちなみに、これを書いたのは、柏原誠という記者みたいです。

浅井樹選手、引退

今日の最終戦のあとのインタビュー。

「17年間・・・・プロ野球という世界でここまでできたのは アツい声援を送っていただいたファンの皆様がいてくれたからだと思います。
 僕はカープが大好きです。
 お世話になった監督、コーチ、チームメイトも大好きです。
 そして、アツイ声援を送ってくださるファンの皆様も大好きです。
 それと、少しづつですがその大好きなカープ
 恩返しするために今日限りで引退します。」

 一時は、「現役続行」だと報じられていましたが、正直、こうしてカープの選手のままユニフォームを脱いでくれたのは、ファンとしてはとてもありがたいことだと思います。浅井って、本当に頼りになるというか、「打席に立っているだけで、打ってくれそうな気持ちになれる選手」だったんですよね。
 記録にはそんなに残らないかもしれないけれど、浅井さんが打った数々の劇的なヒット、僕はずっとずっと忘れません。
 17年間、ほんとうにありがとうございました。僕も浅井さんのこと、大好きです。

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