- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/12/22
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (166件) を見る
今年読んだ本のなかでNo.1!って、まだ今年になって1週間しか経っていないわけですけど。
でも、本当に素晴らしい作品だと思います。「ファンタジー」って何なんだ結局?って考えてしまうのですが、逆に、この物語って「ファンタジー」不在だと、ちょっと安っぽい「お涙頂戴モノ」になってしまいそうなんですよね。そのあたりのセンスというのが、絲山秋子さんの凄さなのでしょう。人と人との「善意のすれ違い」みたいなものが、スッと心に入ってくるように描かれている傑作です。いままでの著作や経歴からすると、たぶん、絲山秋子さんは片桐に自分を反映されているのだろうけれど、いちばん容赦なく描かれているのが片桐なんだよなあ。
以下ネタバレ感想なので、ご注意ください。
続きを読む