琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

芥川賞・直木賞候補作決まる


◇芥川・直木賞候補作(年齢は1月16日現在)

芥川賞 年齢              候補回数
川上未映子  31 「乳と卵」(文学界12月号)    2
田中 慎弥  35 「切れた鎖」(新潮12月号)    2
津村記久子  29 「カソウスキの行方」(群像9月号)初
中山 智幸  32 「空で歌う」(群像8月号)    初
西村 賢太  40 「小銭をかぞえる」(文学界11月号)2
山崎ナオコーラ 29 「カツラ美容室別室」(文芸秋号) 2
楊  逸   43 「ワンちゃん」(文学界12月号)  初

直木賞
井上 荒野  46 「ベーコン」(集英社)      初
黒川 博行  58 「悪果」(角川書店)       5
古処 誠二  37 「敵影」(新潮社)        3
桜庭 一樹  36 「私の男」(文芸春秋)      2
佐々木 譲  57 「警官の血」(新潮社)      2
馳  星周  42 「約束の地で」(集英社)     5

今回の候補作は、残念ながら1作も読んでいないので予想しようもないのですが、名前だけで見ると実力派が揃った、という印象です。
裏を返せば、「前回ほどじゃないけど、ちょっと地味」であり、とくに直木賞は、前回は桜庭一樹森見登美彦万城目学と、急激に候補者が「世代交代」したように思われたので、その反動が今回は出ているのかもしれません。
馳星周さんって、まだ直木賞獲ってなかったのか……
個人的な好みを含めての予想としては、芥川賞は本命川上未映子さん、対抗に西村賢太さん。直木賞は本命が桜庭一樹さん、対抗はここでノミネートされたならばということで馳星周さん。でも、「この人を今さらノミネートしたんだから授賞するだろう」というのがこちらの思い込みでしかないことは、北村薫さんのときに証明されてしまいましたからねえ……

自費出版大手の出版社「新風舎」が事実上倒産


新風舎:民事再生法の適用申請へ…自費出版大手(毎日jp)

 新風舎は80年創業。自費出版業者の草分けとしてセミナーや相談会、さまざまな出版コンテストなどを開催して急速に知名度を上げた。

 同社が昨年末、債権者に送った文書によると、一部マスコミ報道による批判などから売り上げが急落し、債務支払いが滞ったという。同社は昨年7月、絵本や自伝を出版した複数の著者から「書店に並べて宣伝、販売するという契約と異なり、わずかな冊数しか店頭に並ばなかった」として提訴されている。

 「出版年鑑2007」によると、05、06年は新刊書籍発行点数(2719点、2788点)が2年連続で講談社を抑えて1位となっていた。帝国データバンクによると、ピークとなる06年8月期の年売上高は52億8600万円を計上していたが、昨年同期は46億1700万円に減少。最終純損失は4800万円になった。

もしこういうことが起こったら、「ざまあみろ!」「天罰だ!」的な感想を抱くのではないかと自分では予想していたのですが、正直なところ、「どうして事実上倒産」なんてことになっちゃったんだろうなあ……というような不可解な気持ちのほうが強いです。訴訟や報道の影響(もちろん、さまざまなブログなどで取り上げられたことも含めて)はあったのでしょうけど、ここで紹介されているようなビジネスモデルであるとすれば、20億円もの負債ができるものなのだろうか?と。すごく利益率が高そうな商売なんですけどねえ、これ。
ちょっと穿った見かたなのかもしれませんが、この倒産劇の背景には、「書籍という媒体そのものの威信が低下していること」が色濃く反映されているような気もします。もう、わざわざ自叙伝なんて出版しなくても、ブログにでも書けばいいや(あるいは、自叙伝なんて無意味だ)、という人も増えているのでしょう。あまりに悪質なものは淘汰されて然るべきだと思いますが、自費出版社が絶滅してしまったら、それはそれでちょっと寂しいような気はします。

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