琥珀色の戯言

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【連載】もう、個人サイト業界への「新規参入」の時代は終わった(2)

 「コジンサイトハ モウ シンデイル!」(ジョシュ・バーネット風に)
とかいうセンセーショナルなことを書けば、マイナーサイトでも多数のアクセスを獲得できることを実証した当連載なのだが、あまり悪のりするのはやめておかないと、次に「シンデイル」のは自分だったりしそうだ。
それはさておき、今回は、「どうして個人サイトで『成り上がる』のが以前より難しくなったのか」について、考えてみようと思う。
どんなサイトも、最初のアクセスカウンターは、絶対にゼロだ。それは「侍魂」だろうが、本人にすら忘れ去られてしまっている「○○ちゃんのページ」でも一緒だった。
でも、その「ゼロ」の状態から、どこかで必ず「人気サイト」と「閑古鳥サイト」が分かれていくことになる。

 とりあえず、基本的なことから考えてみたい。
まず、「人はどのようにして、あるサイトにたどり着くのか」ということから。
誰かがあるサイトにたどりつくまでには、大きくわけて、次のような経路がある。

(1)検索エンジン経由
(2)他のサイトのリンクから(文中リンク・リンク集・掲示板のURLなど)、他の人のアンテナ、Yahoo登録サイト
(3)雑誌などの他のメディア経由
(4)メールマガジン、宣伝メール
(5)リアル知人からの紹介(自薦含む)
(6)ブックマーク、自分のアンテナ
(7)適当にURLを打っていて、偶然にたどり着く

 こうして並べてみると、意外と経路というのは限られているものだ。
そして、今度はサイト運営側の立場として考えてみよう。
自分のサイトを多くの人に見てもらうために、「宣伝」するには、どのような方法があるのか?

<1>リアル知人へのリアルでの宣伝
<2>他のサイトの掲示板への書き込み
<3>他のサイトへのリンク要請(Yahoo登録なども含む)
<4>メールマガジン、宣伝メール
<5>検索エンジン対策(はてなダイアリーなどでの「キーワード対策」を含む)
<6>リンク集への登録(「Read Me」「テキスト庵」「日記才人」など)および更新報告
<7>他のサイト(とくに人気サイト)へのトラックバック(いわゆる「サイト言及」も含む)

 こうして並べてみると、けっこうできることって、ありそうなのだ。
でも、実際に「閑古鳥サイト」を運営していた経験から言わせていただくと、「無駄無駄無駄〜!」なものがほとんどなのですよ。

 <1>ができる人というのは限られているだろうし、これをやってしまうと、書ける内容というのはかなり限定されてしまうことが多い。
 <2>は、現在でも比較的有効な方法だと思う。あくまでも「比較的」なのだが。自分好みのサイトに(ここが重要だ。全然興味のない「人気サイト」にいくら親しげに書き込んでみても、「宣伝ウザイ」というイメージしか持たれない)情報や応援の書き込みをすれば、「この人はどんな人だろう?」とクリックしてくれる人は、けっして少なくない。まあ、少なくとも大概の管理人は見るはずだ。そして、そういう行為を積み重ねが、アンテナ登録やリンクを生むことだってある。効率が悪いようだが、いまは、これ以上に効率の良い方法って、本当にないのだ。あるいは、ネットバトルの「戦場」に突入するという手もある。これは、一発花火を打ち上げたい人にはいいかもしれないが、ずっとサイトをやっていきたい人には得策ではない。だいたい野次馬というのは、火事がおさまれば焼跡などには興味ないのだ。「2ちゃんねる」への自薦というのは、たぶんけっこう効果的なのではなかろうか。もっともこれは諸刃の剣というか、ドラクエ的にはメガンテみたいなものなので、基本的にはやめておいたほうがいい。まあ、「2ちゃんねる」だって、「祭り」の対象にでもならなければ、マイナー板で曝されてもたいしたアクセス稼ぎにはならないし。ただし、最近は掲示板そのものが無いサイトが多いし、閑古鳥サイトではあまり意味がなく(しかし、1日にひとりずつ「常連」を増やせれば、1年で300アクセス/日を余裕で超える。逆にいえば、1日ひとりですら、難しいのですよ実際は)、人気サイトというのは管理人もひとりひとりの来訪者を丁寧にフォローしきれないところがほとんどなので、簡単にリンクしてくれたりはしない。基本的に、大きなサイトになってしまえば、相手によっぽどの義理か好意がなければ、「リンク集」に入れてくれたりはしない。小物からケンカを売られても、下手に相手をするより放置しておけば誰も気が付かないうちに鎮火していることも多いようだし。
 <3>これも、「そう簡単にはリンクしてくれない」のが実情だ。大手ニュースサイトには、「面白くないものは載せられない」という矜持があるし、載せてと言われて載せてしまうようなサイトでは、大手になんてなかなかなれない(お金を払えば別かもしれないが)。そもそも、リンク集そのものがアンテナに置き換えられてしまっているサイトも最近は多い。
 <4>は、「スデニ シンデイル」宣伝方法だ。「一発太郎」とかで一括宣伝してみるというのは、個人サイト管理人の多くが一度は通る道だと思うのだが、まあ、検索エンジン登録は役に立つとは思うのだが、あの「ホームページ紹介マガジン系」への登録というのは、まったくもって効果がない。だって、どんなにマガジン登録者が多くても、登録しているのは「自分が宣伝したい人」ばかりで、「他人の宣伝を見たい人」なんて全然いないのだからさ。
 <5>これは僕はあまり意識したことはないのだけれど、たぶん、ものすごく大事な要素だ。だが、これだけ企業サイトが増えてきている時代では、普通の「新規参入個人サイト」にとっては、これをきちんとやるのはかなり敷居が高い。
 <6>これも、「自発的にできる中では、それなりに効果がある方法」だろう。いくら更新報告に凝ってみても、それぞれ10〜20アクセス稼げればたいしたものだし、「また更新報告かよ」とバカにされたりもするのだが。でも、「かなりマシな方法」なのだ。
 <7>まあ、これは<2>に含めてもいいかもしれない。

 結局、「サイト管理人が自分の力でアクセスアップのためにできること」なんて限られている。
 そして、その「できること」は、悲しいくらい非効率的で、効果にも乏しい。
 でも、その「非効率的な方法」しかないのだ。
 あとは「見た人のうちの誰かに面白いと思ってもらえるか?」の勝負。

 基本的に、サイトというのは、「第三者の引き立て」がないと、成長することができない。
 (1)〜(5)の「サイト到達経路」というのは、「(それがネット上であれ、リアルであれ、どこからかリンクしてもらえないと、新規の来訪者は増やせない」ということを示している。まあ、(7)なんて、まずありえないのはおわかりいただけるだろう。
実際「雑誌掲載」なんて、誰にでもできることではないにもかかわらずそんなに効果はないようだし(少なくともパソコン雑誌レベルでは)、さきほど触れたように、メールマガジンでの宣伝は、もう現在では難しい。サイトに来てくれる人を急激に増やすには(1)か(2)しかないのだが、(1)で一挙にメジャーになるには、ファンサイトとか、何か特定の話題に特化したサイトでないと、なかなか難しそうだ。

 ここで、最初に戻る、「どうして、個人サイトの『新規参入』が難しくなっているのか?」
 要するに(2)が、どんどん「狭き門」になってきているから、なのだ。
アンテナの一般化で、リンク集文化は衰退の一途だし、掲示板のないサイト(あるいは、あっても実働していないサイト)が、どんどん増えてきている。そして、人気サイトになればなるほど、ネガティブ・コミュニケーションにうんざりして、やりとりが表に見えるような形でのコミュニケーションを避ける傾向が出てきているのだ。文中リンクだって、多くの大手サイトは、「リンクしても安心な既知のサイト」を選択しやすい。というか、「新規参入サイト」は、「そんなサイトがあることすら知らない」のだから、選択肢に入りようもないのだが。そして、「知ってもらう」ための手段には「非効率的なもの」しかなくて、そのうえ、ブログなどによるサイト運営の簡便化により、競争相手は増えるばかりだ。
 だいたい、「簡単にサイトができる!」という謳い文句に乗ってブログをはじめた人は、日記を1日分書いただけで、「なんで誰も自分のサイトにアクセスしてくれないの?」なんて憤ったりするのだ。残念ながら、「簡単にサイトができる」のと「簡単にみんなが来てくれる」のは全然違うのだということが初心者にはわからないし、「ブログの時代」を煽っているネット雑誌にも、そんな現実は書かれていない。ちょっと目覚めて宣伝してみようと思ってみても、「アクセスアップ法」のサイトには、いまだに「メールマガジン登録」とか平然と書かれているのだし、結論は「面白くて個性的なサイトを作るしかない」だったりするのだ。ジェダイ評議会かキミたちは。そんなこと、言われなくてもみんなわかっているはずなのに。いやほんと、サイトなんていうものは、何もしなければ誰も見にきてくれたりなんかしないし、今の人気サイト管理人が、まったく別のハンドル名とサイト名で別サイトを宣伝なしで立ち上げたとして、本当に「成りあがれる」のは、はたして何割なのか。実は僕も一度実験してみたのだが、あまりのノーリアクションさに1ヶ月で挫折した。同じ人間が同じように書いていても、「場の力」というのは、やっぱり大きい。もちろん、その「場の力」を作り上げるのも、長年の信頼と実績なのだけれども。
 結局は「続けることこそ人気サイトへの道」なのだが、実際は、「誰も来てくれないから、続ける気力もない」という悪循環に陥ってしまう。どんなに素晴らしい才能があっても、慣れっていうのは必要だし、人気サイト管理人の多くは、前に「挫折経験」を持っているのだが。敷居が高かった時代は、内容以前に「若い女性のサイト」というだけでそれなりに人が集まっていた時代もあったらしいんだけどさ。

 ちなみに、「人気サイト」ではないが、僕自身の経験を、こちらに書いているので(途中までですけど)、興味のある方はどうぞ。

 ちょっと脱線してしまったが、次回は、「個人サイトの限界と衰退」の話とかをしてみたいと思う。

矢部美穂に「ひと肌脱ぐわ」と言われても

http://www.nikkansports.com/ns/horseracing/f-hr-tp0-050925-0018.html

おおっ!とか一瞬思ったのですけど、矢部さんがいまさら多少脱いでも、全然驚かないことに気が付きました。もう、ほとんど出せるところまでは出し尽くしてるものなあ……
ただ、矢部さんの競馬の予想そのものは、けっこうまともではあるんですけどね。

ゲーム市場の希望は携帯ゲーム

http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0509/29/news077.html

なんだか携帯ゲームの歴史って、「個人サイトの歴史」と同じようなものなのかもしれません。これからは「淘汰」の時代なのではないでしょうか。
それにしても、携帯ゲームの最大の難点は「操作性」であり、結局ゲームボーイミクロ持ち歩いたほうがいいんじゃないか、とか思うんですけど。

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