琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

ひとりたび1年生 ☆☆☆☆

ひとりたび1年生

ひとりたび1年生

内容(「MARC」データベースより)
道に迷ってオロオロ、人に話しかけられてアワアワ。でもオトナの女のひとりたびって、けっこう楽しいですよ…。たかぎなおこが描く、引っ込み思案な人のひとりたび。旅の写真も満載。『リラックスじゃらん』連載に大幅加筆。

 「旅行記」には、大きく分けて2つのタイプがあると思います。
 ひとつは「こんな旅は自分にはできないなあ……」と感心してしまうような「冒険系」。そしてもうひとつは、「旅先でこんなことってあるある!」と頷いてしまうような「共感系」。もちろん、「冒険系」のなかにも「共感系」の要素が含まれていたりもするわけですが、この『ひとりたび1年生』は、まさに「共感系」の旅行記なのです。
 正直、この本でのたかぎさんの旅を読んでみて、「自分も同じような旅行をしてみたい!」というような気持ちにはあまりならなかったのですけど(ただ、ダイビングの免許はちょっといいなあ、と思いました)。

 一人旅だと他人の視線がやたらと気になるところとか、「自分にはひとりでこんなこともできるんだ!」と再発見できるところなどが素直に書かれていて、「旅行慣れしている人たちの旅行記」を読むと、「旅先でも人とうまく接することができない自分」にコンプレックスを抱きがちな僕にとっては、非常に読みやすく、親しみが持てる「旅行記」ではあったんですよね。僕の「ひとり旅」なんて、誰かに話しかけられるのが怖いのでわき目もふらずに観光スポットをツカツカと無言で歩き回り、行き先の大部分は美術館や水族館(+競馬場)、食事はひとりでも入りやすい駅の定食屋みたいなところかファーストフード、って感じだからなあ……

 「ガイドブックに載っている店に入ろうとしたけれど、店内にお客さんがいなかったので入る勇気が持てず、店の前をウロウロした挙句に結局店内に入れなかった」なんて話を読むと、なんだか他人事とは思えません。
 アウトドア系で、「冒険系の旅行記」をお望みの方々には「物足りない本」なのかもしれませんが、僕はけっこう楽しめました。ああ、赤福氷食べたい。

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