琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

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犯罪者の一族に生まれたビリー(レオナルド・ディカプリオ)は、自らの生い立ちと決別するため警察官を志し、優秀な成績で警察学校を卒業。しかし、警察に入るなり、彼はマフィアへの潜入捜査を命じられる。一方、マフィアのボス、コステロジャック・ニコルソン)にかわいがられて育ったコリン(マット・デイモン)は、内通者となるためコステロの指示で警察官になる。 (シネマトゥデイ

今年度のアカデミー賞で、作品賞、監督賞を受賞した作品。
僕は基本的に映画はアカデミー賞、本は直木賞芥川賞作品はとりあえずおさえておきたいというミーハーな男なので、旅行などもあって出遅れてしまったこの作品ですが、なんとか地元の映画館での最終上映日(しかも最終上映回)に間に合いました。館内にたどり着いたときには、もう予告編が流れていたくらいギリギリでセーフ。

この作品、香港映画『インファナル・アフェア』のハリウッド的リメイクで、各所で「劣化コピー」「テーマが継承されていない」などの批判もあるのですが、僕はけっこう面白かったです。2時間半飽きずに観られるサスペンスドラマというのは、そうはないですし。トニー・レオン好きなので、この映画の場合「いかにも悪い人っぽく見える」ディカプリオよりも、哀愁の感じられるトニー・レオンのほうがいいかな、とは思ったのですけど。
しかし、この映画って、潜入捜査官と潜入マフィアは明らかに怪しい行動をしているのに誰もそれを疑わなかったり(というか、みんながスパイがいると疑っているなか、新しい情報が入ったら携帯ですぐにどこかに電話するヤツは、明らかに怪しいですよ)、女性精神科医がやたらとモテまくったりと挙げ足を取りたくなるところはたくさんあるのですけど(ラストは『インファナル・アフェア』を知っているとちょっと驚きます)、マーティン・スコセッシ監督がようやく監督賞・作品賞を獲られてめでたいということもありますし、緊迫感を楽しめる良質のエンターテインメント映画だと思います。
そうそう、この映画でいちばん目立っていたのは、なんといってもジャック・ニコルソン。「スコセッシ監督の指示もほとんど聞かなかった」なんて話がすでに伝説化していますが、この人の存在感は本当にすごかった。「魔性の人」という感じでした。

インファナル・アフェア [DVD]

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「好きな作家は?」と聞かれた時には

http://d.hatena.ne.jp/sho_ta/20070316#1174020957

非常に興味深いエントリです。
たぶん、TPOというか、面接であれば、その会社の社風というようなものもかかわってきそうなのです。マスコミや出版社などであれば、「好きな作家は?」「村上春樹です」なんて答えたら、あまりにメジャーすぎてバカにされたりしそうだし。でも、「なんで村上春樹が好きなの?」って聞かれたら、けっこう説明するのが難しい作家なのかな、とも思います。
あと、村上春樹さんや柳美里さんはアンチの人もけっこういそうなので、面接的には意外と危険かもしれません。
僕の偏見かもしれませんが、村上春樹好きって、あんまり共同作業には向いてないような気がするし(自分のペースでできる仕事に関しては、ものすごくデキる人が多いのだけれども)。

僕が考えた、「好きな作家は?」と聞かれた時に名前を挙げると好感度が高そうな作家を挙げておきます。

(1)中島らも なんとなく、中島らもを読んでいる人って「頭がやわらかそうな人」って感じがしませんか?大部分の人は「明るい悩み相談室」くらいでしか知らないでしょうし。

ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)

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(2)瀬尾まいこ
 真面目で温かい印象。作家としては「殻を破れていない」感じで僕にとってはもどかしい作家さんなのですが、この人の作品を読んで感動できるような人は、善男善女という気がします。堅めの職種の面接ではとくに印象良さそう。って、相手が御高齢だと知らない可能性大かも。

幸福な食卓

幸福な食卓


(3)恩田陸
 とりあえず『夜のピクニック』を押さえておきましょう。いわゆる「青春小説」ってやつを挙げておけば、相手は感心はしなくても、とりあえず無害な人として認識してくれるはずです。ただし、相手が恩田さんの作品に詳しい人の場合は、かえって危険な可能性もありますが。

夜のピクニック (新潮文庫)

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(4)宮城谷昌光
 僕は最近つくづく思うのですが、企業のそこそこ偉い50代〜60代の人って、本当に中国好き、中国史好きの人が多い。とりあえず『太公望』とか読んでおいて、「中国の歴史からは学ぶべき先人の知恵が多いです」とか言っておけば無難そう。

王家の風日

王家の風日


(5)伊坂幸太郎
 ……あたりはどうなのかな。単純に「そんな人知らん」とか言われてしまうのだろうか。でも、日頃あまり本を読まない人に「オススメの作家は?」と問われたときには重宝する人ではあります。

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

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(6)西原理恵子
 が「好きな作家」として面接で通用する時代が、すぐそこまで来ているような気がします。

毎日かあさん カニ母編

毎日かあさん カニ母編


 最後のほうは収拾がつかなくなってしまいましたが、正直、相手が男で40代以上であれば、「日頃あんまり本は読まないんですけど『東京タワー』には感動しました!」とか言っておけばいいんじゃないかな、とも思います。あれは最強。

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