ある女の子が言っていた。
「モテるのも、けっこう大変なのよ」って。
モテナイ男である僕は、それを聞いてかなりムカついたのだが、彼女が言うには、「自分が嫌いな男や興味がない男に『好きです!』なんて次から次へと言われるのはキツイ」らしい。
確かに「好き」という感情はポジティブではあるが、普通はひとりの異性としか付き合わないわけだし、芸能人や水商売でもなければ、あまり過剰にモテすぎるのは辛いかもしれない。
むしろ、「好感」というのは、拒絶の仕方が難しいものだし。
ヘタしたら、逆恨みされてみたり。
そうすると、僕が「モテない」というのは、かえって目標物までの障害が少ない、ということになりはしないか。少なくとも、「タイを釣ろうと思ったのに、他の魚がかかっちまった」ということはないはずだ。
しかし、「タイしか釣れない仕掛け」なんてので釣りをすると、肝心のタイは見向きもしてくれない。
とかく、釣りというのは難しい。