琥珀色の戯言

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「口コミマーケティング」で、女子大生のブログ炎上

http://www.j-cast.com/2006/11/07003721.html

最初に整理しておかなければならないのは、この件に対しての最大の「問題点」は、「『広告』だとあらかじめ宣言せずに広告をしていたこと」なのですよね、たぶん。
しかし、ここで「炎上」しているブログのいくつか実際に覗いてみたのですが、
http://ameblo.jp/sayaka-bono/
↑こんなの読んで、ここでとりあげられている店に行ったり、商品を買おうなんて思う人がそんなにいるのでしょうか?
僕はこのブログを読むのが苦痛で苦痛で、こういうネガティブな興味がなければ、すぐに「戻る」ボタン連打だったはずです。
はたしてこれ、本当に「効果」があったんだろうか?
誰かが「指導」してこの程度なの?

「広告だったら、広告だって明記しろよ!」と言うのは一見当たり前の主張のように見えるのですが、実際は世の中には「広告には見えない広告」なんて、すでにたくさんあるのです。『文藝春秋』という雑誌、僕は年に2回、芥川賞受賞作掲載号くらいしか買わないんですけど、読んでみて驚くのは、「対談風の広告」がやたらと多いことです。確かに端っこのほうに「これは広告です」とか「PRのページ」なんて小さく書いてはあるのですけど、油断していると見過ごしてしまいそうです。本当の「記事」との鑑別は、かなり困難。テレビの旅番組とかでも、「宿泊・飲食代無料」で取材しているケースはたくさんあるでしょうけど、みんなそれを「やらせ」だとは怒らない。「まあ、そんなものだろ」とみんな「納得」しているんですよね結局は。
今回の件に関して言えるのは、テレビや雑誌などの媒体で語られていること比べて、ブログに書かれていることを「身近に感じている」人が多いのだな、ということでした。そして、この「守銭奴ブロガー」たちに対する風当たりの強さというのは、ある意味「友達にねずみ講に誘われたような感じ」なのだろうなあ、とも感じます。「1件につき数千円の謝礼」なんて言うけどさ、提灯記事を書くことによる信頼度の低下とか、その店に行ったり商品を使ってみたりする「手間」と「報酬」のバランスを考えたら、これって、そんなに効率の良いバイトだとは思えないんだけど。ただし、これを取りまとめている会社の人とか「編集長」とかは、けっこう潤っているのかもしれませんが。

僕は以前、映画「時をかける少女」の「ブロガー試写会」に対して、
「ブロガー堕落論http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20060711#p2
というのを書いたのですけど、このときにはかなりのリアクションがあった(http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20060711%23p2参照)のです。
代表的なリアクションとして、
憂鬱な昨日に猫パンチ 不安な明日に猫キック ('6/7/11)
http://spica.tdiary.net/200607.html
弁償するとき目が光る ('06/7/13)
http://yuki19762.exblog.jp/5255770/
を挙げておきますが、今回の「女子大生ブログ炎上」の件について言えば、少なくとも世の中には、「ブロガーなんて所詮『ヌルイ』存在」だと認識していない人がけっこうたくさんいるのだなあ、と僕はあらためて思い知らされた気分です。僕としては、「そんなことでお金を稼いでいる」ということよりも「そういう広告にお金を出すシステムがここまで一般的になっている」ということのほうが驚きではあるんですけどね。まあ、こういう「炎上劇」って、本当に腹を立てている人って1割もいないくらいで、火事になったら集まってくる野次馬9割、というのが実際のところなのかもしれませんが。

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