琥珀色の戯言

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ある有名鑑定士が「偽手紙」を見破った理由

↑の『むかつく二人』で紹介されていた興味深いクイズ。あなたはわかりますか?

清水ミチコ:じゃ、そんなクイズ王の三谷さんに質問です。これ私が、ついこないだ、「ミッちゃんよく分かったなあ」って言われたんですけど。ラジオを聴いている方も一緒に考えて下さい。問題です。ある有名な鑑定士がいました。文字とかそういう歴史的な、アンティークとか見られる一流鑑定士。


三谷幸喜:それはとんち問題?


清水:れっきとしたクイズです。その鑑定士の所に、一枚の手紙を持ってきた人がいます。それは、例えばクリフという大作家の書いたらしき手紙なんですが、「本当にその人が書いたものでしょうか」という問題です。で、文面にはこう書かれています。「愛する妻へ。僕はこの戦争に来てとても君のことが恋しい。僕は絶対に大丈夫だと思ってたんだが、この第一次世界大戦はあまりにも厳しいので、もしかしたらここで死んでしまうかもしれない。だけど君のことをずっと想ってるよ。クリフ」。鑑定士は手紙を読むなりすぐに「これは違いますよ」って言いました。なぜでしょうか?

さて、これを読んだ皆様は、なぜかお分かりになられましたか? ちなみに僕は5分くらい悩んでみたのですけど、答えがわかりませんでした。

答えは隠しておきますね。

(以下解答)

三谷:答えていいんですか。それは「第一次世界大戦」っていう言葉が入ってたからですね。


清水:何で? 何で?


三谷:だって第一次世界大戦っていうのは、第二次世界大戦があって初めて「第一次」って振り返って言えることじゃないですか。


清水:そんなに早く答えなくてもいいじゃない。リスナーの方がいま一生懸命に考えているところだったのに、そんなに早く答えなくてもいいじゃない。もっと流れを読めないの? ホントに元構成作家?(笑)


三谷:だって、歴史好きの人間にとっては、けっこう当たり前っていうか、誰もが感じることですからね。第一次世界大戦第二次世界大戦のネーミングは。ほかには「前九年の役」と「後三年の役」もそうですけど、「後三年の役」があって初めて「前九年の役」が……。

 答えを聞いてしまえば、確かにそうだよなあ、というクイズなのですけど、結局のところ、その時代に生きている人々にとっては、目の前の出来事が「歴史上」どんな意味があるかなんて、わからないことがほとんどなのですよね。「第一次世界大戦」に従軍していた人たちだって、それが「今までに類を見ないくらい大規模な戦争」であることは頭ではわかっていても、後世「世界大戦」と呼ばれるようになるとは想像していなかったはずです。
 僕が生まれてから体験してきた世界においても、アメリカでレーガン大統領が「歴史的に」高く評価されているなんていう話を聞くと、僕が子供の頃『TVスクランブル』で久米宏横山やすしにさんざんバカにされていた人がそんな「歴史上の人物」になってしまっているのかと、ちょっと驚いてしまうくらいですし。

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