琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

定食ニッポン ☆☆☆☆

定食ニッポン

定食ニッポン

出版社/著者からの内容紹介
激安!激ウマ!!ボリューム満点!!!
“庶民の味方 究極の定食ガイドエッセイ”
日本人の基本の食事とも言える“定食”。旨くて、安くて、栄養満点!しかもボリュームたっぷり!!和食に中華に洋食…一度食べたらヤミツキになる定食メニューをお腹いっぱいお届けするのは、今や“定食評論家”として確固たる地位を築いた今柊二氏。今日のお昼は何食べようかなって困った時のお供にぜひどうぞ。

 はっきり言って、九州の辺境在住、平日のランチタイムに外食できることは年に5〜6回、という僕にとっては「ガイドブック」としての価値はほとんどないのですけど、仕事の合間や当直の夜などにパラパラとめくって、この本で紹介されているような「パンチのある定食」の数々の写真やレポートを読むと、なんだかすごく「これ食べたいなあ……」と思いますし、少しだけ元気が出てくるような気がするのです。
 逆に、出てくる食べ物や著者の感想にそんなにバリエーションがあるわけではないので、一気読みしてしまうと「ふーん、脂っこい食べ物とか大盛りばっかりで、なんだか胸焼けがしてきた……」なんて感じる人もいるかもしれません。

 この本に出てくる、「だるまや食堂」のおかみさんの話。

「この店は古いんですか?」
「そう、昭和38年(1963)年からね。場所は上にあったけど、今のここに移ったのは平成2(1990)年からね」私が見たのは引っ越ししてしばらくしてからのようだ。
「焼飯はね、うちは温かいご飯をいつも用意して作っているんですよ。そうしないとバラバラになってしまうからね」なるほどそういうことだったのか。
「うちは普通のものを普通においしく作りたいんですよ」とおかみさんは付け加えた。まさに私が定食屋に求める堪えであった。やはり私がこの店に惹かれたのは、間違いがなかったのだ。なお、この『だるまや』は帰宅途中のサラリーマンや、駒込病院から帰ってくる人たちの利用が多いそうだ。そんな話を聞きつつスープを飲む。これまた普通においしい醤油味のスープだ。

「バラバラになってしまう」のが「本格的なチャーハン」なのかもしれません。でも、この「普通のものを普通においしく作りたい」というのって、なんだかすごく良い言葉ですよね。
 正直、僕は「定食屋」って、「混んでいる店内でみんなが黙々と食べている、いちげんさんお断りの雰囲気の店」というイメージがあって、あまり利用することはなかったのですけど、今後はぜひ利用してみたいと思います。
 僕もそろそろ定食屋に入っても許されるくらいの人生経験を積んできたかな、という気もしますし。

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