- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 小学館
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Kindle版もあります。
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 小学館
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内容(「BOOK」データベースより)
YES!!超絶倫!?バカップル漫画。サイバラ+高須克弥院長、二人合わせて124歳!!幸せに生きるコツ、歳を取ったらバカップル!!
『ダーリンは70歳』からはじまった、高須院長と西原理恵子さんのバカップルシリーズ。
『70歳』のときは、なんのかんの言いながらも、熟年カップルの恋愛のせつなさ、みたいなものがけっこう多めだったのですが、『ダーリン』の加齢とともに、破天荒さが増すばかり。それなりに脚色されている部分もあるのでしょうけど、たぶん、西原さんは、同じことを繰り返すのが苦手で、常に面白いことを探していたい人なのだろうなあ。
そして、「感動話」は、ここぞというときにしか使わない。
サザンオールスターズの桑田佳祐さんが、以前所属していたレコード会社から、バラード・ベストが出たとき、「1枚のアルバムのなかで、とっておきのバラード、その1曲を聴かせるために苦心して収録曲を構成しているのに、それをひとまとめにして商売するなんて」と怒った、という話を聴いたことがあります。
西原さんは、あえて「叙情」を抑えて、このシリーズを描いているのではないか、と僕は思っているんですよね。
しかし、このふたりの関係については、このシリーズを読めば読むほど、熟年カップルの恋愛事情とか言うけれど、これはもう特殊なケースなので、一般論にするのは無理だし無駄だな、と思うようになりました。
結局のところ、お金と刺激があって、余計な外部からの攻撃がなければ、カップルはそれなりに繋がっていくことができるのではなかろうか。
西原さんにとっての高須院長は、愛する人であるのと同時に、マンガのネタを提供し続けてくれる人であり、高須院長にとっての西原さんは、自分の人生を作品としてこの世界に遺してくれる人なんだよなあ。
これは、「恋愛」なのだろうか、と僕はしばらく考え込んだあと、そもそも、恋愛って何なのだろう、と、もう一度悩んでしまうのです。
正直、微妙というか、金持ち自慢かよ、みたいに感じるところもあるんですよ。
財布を忘れてきたという高須院長が、サラ金の無人入力ルームで、年収「50億」と入れようとしたら、ケタが足らなかった、というのは、笑えるというより、厭味な感じがしたのです。
「そんな人が来るなよ……そもそも西原さんだって財布くらい持ってるだろうし、どうしても自分のお金で、っていうのなら、連絡すれば誰か届けてくれるに決まってるのに……」と。
ナチュラルにお金持ちで、ナチュラルに上流階級。
それこそ、嫉妬するのがバカバカしいくらいの人なわけですが、ニューオータニで、あの『久兵衛』が、高須院長用に「大トロ茶漬け丼」をつくってくれる、なんていうエピソードに、僕は、「すごいですねー」というフラットな表情しかできませんでした。
ニューオータニには、住んでいる大金持ちの独居老人がけっこういる、という話も出てきます。
堀江貴文さんも、そういう生活をしている、と聞いたことがあるんですよね。
お金のことを考えなければ、常に部屋は綺麗にしていてもらえるし、そのほうが便利なのかもしれませんね。
『ダーリンは70歳』のシリーズには、西原さんという「こっち側」の人が、「あっち側」の世界を覗いているという面白さがあったのだけれど、このシリーズも回を重ねていくうちに西原さんが少しずつ「あっち側」に行ってしまったような気がします。
まあしかし、それはそれで、西原さんが「私は貧乏人の味方です!」みたいなパフォーマンスを見せたら、この上なく「あざとい」わけで、こういうマンガを描ける立場であれば、それを利用して描くのだ、ということだけなんだろうな。
西原さんがそれを望めば、「高須院長お抱え絵師」みたいな感じで、作品をそんなに描かずに遊んで暮らしていけるだろうし。
ここまで描かせている、というか描かれていることを面白がってすらいるように見える高須院長も破格の人ですよね。
西原さんは、高須院長の政治的発言に対して釘を刺しており、西原さんなりに、心配されているみたいです。
個人的には、昔行きつけの寿司屋に久しぶりに行ったら、店主が高須院長が来るものだと思って張り切っていて……というエピソードを読んでいて悲しくなりました。
店主の気持ちはわかるんだけれど、「ああ、世の中には、本当に大事にされている人たちの世界と、そうじゃない人たちの世界があるんだな」って。
- 作者: 西原理恵子
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