琥珀色の戯言

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【読書感想】結婚してみることにした。 壇蜜ダイアリー2 ☆☆☆☆

結婚してみることにした。 壇蜜ダイアリー2

結婚してみることにした。 壇蜜ダイアリー2

  • 作者:壇蜜
  • 発売日: 2020/03/25
  • メディア: 単行本


Kindle版もあります。

内容紹介
38歳最初の仕事は「ルンバを踊る」。
モモジタトカゲのサチ子に、ナマケモノの浜平を迎え、食べる、眠る、ゆっくり泳ぐ、長めのサウナ…そんな毎日から
いい夫婦の日に、結婚。まさか自分がそんな日を選ぶとは。」
壇蜜日記史上最大の出来事…⁉︎
ほろ苦くて甘い蜜、のリアルな日々


 壇蜜さんの日記は面白い。
 もともと「他人の日記好き」の僕ではあるのですが、壇蜜さんの日記は、第一作からずっと読んできました。


fujipon.hatenadiary.com


 壇蜜さんの日記は、「芸能人・壇蜜」の日常を、「壇蜜を演じている女性」が、他人事のように書いているところがあるんですよね。
 そして、壇蜜さんは、自分が嘘つきであることに正直な人なのです。

2019/1/28
 悪いところをすべてさらけ出して改善させていく…そんな様子を「膿を出す」などと言うが、私の知る限り膿を出しきると言って出しきれたモノはないと認識している。膿を出す、腹を割る、芋づる式に捕まえる……どれも叶わぬとわかっていても言ってしまいがちな用語といえる。嘘はもうないよね、あるなら今全部言ってほしい…と私自身言われたこともあるが、そんなことを言われてすべて言うような者がいないことを分からないで言っているのかこの男…と逆に心配になった。


 こういうのを読むと、「壇蜜さんらしいな」と思うんですよ。でも、壇蜜さんがこんなに正直なのは、日記の中だけなのかな、と思うところもあるのです。

2019/3/19
 年を取るにつれ出来なくなることがあるとは思う。事務所は私が36歳を過ぎたあたりから温泉に入るロケをドラマや映画以外で断るようになった。加齢による衰えたものを映しても…という理由もある。しかし、温泉に入れるのかと聞かれると、その場では個人的に「入りたい、入れますよきっと」と曖昧になるしかなく、きっぱり断って嫌なムードになりたくない。どうやっても変な空気になるのだが、脱いでも「衰えたものを見せるな」という地獄、脱がなくても「何気取ってやがる」という地獄。


 どちらを選んでも、悪口を言う人はいるのです。この日記のなかで、壇蜜さんは、ときどき、自罰的に「自分の悪口が書かれているものを読んだ」ことが書かれているのです。おそらくネットの掲示板とかを見ているのではないかと思われますが、壇蜜さんの場合は「気になってつい見てしまう」という感じではなくて、「自分が調子に乗らないように、戒めとして悪口に触れている」ようなのです。
 壇蜜さんって、なんというか、順調だと不安になる人、なのかもしれません。

 とはいえ、ここに収められている2018年から2019年の壇蜜さんは、仕事も、プライベートも、「壇蜜日記」初期の6~7年前に比べると、すごく「内面が安定している」と感じました。プールで泳ぐことやサウナ通いのような、身体を使って無心に近づく趣味の話が多くなっていますし、仕事についての不安や不満が語られることも少なくなりました。2019年の11月22日、「いい夫婦の日」に壇蜜さんは漫画家の清野とおるさんと結婚するのですが、おそらく、清野さんとの良い関係が、この日記の穏やかさにも反映されているのではないかと思われます。
 いきなり「ナマケモノを飼い始めた」なんて話が出てきて、驚かされるところもあるのですけど。
 ナマケモノ……って、あの動物園にいる、猿みたいな動かない生き物だよね。そんな動物が個人の家で飼えるの?いや、この「ナマケモノ」って、たぶん、居候の男性のこととかだよね。清野さんのこと?ナマケモノ呼ばわりはひどいなあ。

 ……どうやら、本物の(動物園にいる)ナマケモノみたいです。本当に飼えるのか……そして、本当に飼う人がいるのか……

 この巻は、なんといっても、「壇蜜さんの結婚」に読者は注目しますよね。
 でも、ナマケモノを飼うときも、結婚についても、けっこうサラッと流されていて、とくに気合いが入った日記にはなっていないのです。
 読んでいる側のほうが「こんな大きなネタを、こんなにアッサリで良いの?」と思うくらいに。

2019/11/21
 結婚してみることにした。深夜の北区役所に婚姻届を提出してきた。


 この翌日、11月22日は壇蜜さんの結婚がメディアでも大きく採り上げられたのですが、その日の日記も普段と同じくらいの長さですし、その後も、夫である清野さんが日記のなかで大活躍、というわけではないのです。
 この本に収録されているのは、2019年の大晦日までなので、この後は、「夫婦」のエピソードが多く語られることになるのでしょうか。

 結婚しても壇蜜さんは壇蜜さんなのです。
 とはいえ、これまでと同じように振る舞おうとしているだけに、かえって、文章の端々に「ささやかな幸福感」みたいなものが染み出してきているところもあるのです。


壇蜜日記 (文春文庫)

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合本 壇蜜日記【文春e-Books】

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壇蜜ダイアリー (文春e-book)

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