琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

連載企画〜僕の中のダービーの記憶<2>

平成9年:優勝馬・サニーブライアン

http://keiba.yahoo.co.jp/derby/story/09.html

1着 18 サニーブライアン 牡4 57.0 大西直宏 2.25.9
2着 5 シルクジャスティス 牡4 57.0 藤田伸二 2.26.1 1馬身
3着 15 メジロブライト 牡4 57.0 松永幹夫 2.26.2 1/2馬身

本当にこの年の牡馬クラシック戦線は大混戦で、皐月賞ではサニーブライアンシルクライトニング馬連が5万馬券。僕はこの皐月賞を場外馬券売り場で観ていたのですが、「ハァ?何これ……」という気分になったのを今でも思い出せます。サニーブライアンなんて、出走してたの?とレースが終わってから競馬新聞を見直す体たらく。

まあ、皐月賞では最後クビ差まで追い詰められていましたし、東京の長い直線は、逃げ馬には不利というイメージもあったので、僕としては、「皐月賞馬」サニーブライアンは人気になって飛んでくれるだろう、と思っていたのです。

そして、このダービーの当日、僕は競馬初体験の女の子なども含めて、後輩たちと近くの競馬場に、この「ダービー」というお祭りを観に出かけたんですよね。

競馬者としては、東京の長い直線で、父(メジロライアン)の無念を晴らすメジロブライト、ということで堅いはず、ということで、周りで誕生日馬券とかを買っている初心者たちに、プロの買い方を見せてやろうと思っていたのですが…

レースが始まって、逃げたのはもちろんサニーブライアン。まあ、あんまりスローペースだとブライトも困るしね、なんてのんびり構えていたものの、東京の長いはずの直線に入っても、サニーブライアンの脚色が鈍りません。

【サ二ーブライアンだ、サニーブライアンだ!これはもう、フロックでもなんでもないっ!!!】

とアナウンサーが絶叫しているのを聞きながら、僕も「フロックでもなんでもなかったのか…」と打ちひしがれていました。つーか、レースが終わってからそんなことわかっても遅いよね。
2着はシルクジャスティス。この馬は確かに強かったのですが、この馬は、前走、京都4歳特別というレースを制してダービーに駒をすすめてきており、当時のダービーは、「別路線組は、所詮格下」というのが定説だったのです。「秘密兵器」は、結局「レースが終わっても秘密かよ…」というのばっかりだったし。当然「わかっている競馬者」である僕は、ジャスティスの馬券も一枚も持っていません。
要するに、「かすりもしなかった」のです。

まあ、馬連5000円なんて、そうそう当たるもんじゃないよね…
と家路につこうとしたら、後輩の中でひとり「やった!当たった!!」という男が。
この男、競馬初体験だったらしいのですが、「どうしてこんな馬券が買えたんだ?」と訊ねると、「いや、来る途中で、日産のサニーとすれ違ったんですよ」という返事。

……競馬者が徹夜して熟考したはずの馬券が、こういう「サイン馬券」の前に脆くも敗れ去る人生の悲哀。

今から考えれば、サニーブライアンはサイン抜きでも、十分に「買える馬」だったんですけどねえ。

おまけ:サニーブライアン物語(日刊競馬
http://www.nikkankeiba.com/meiba/05/05.html

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