琥珀色の戯言

【読書感想】【映画感想】のブログです。2016年8月より、『はてなブログ』に移行しました。

漫画でわかる萌えビジネス ☆☆☆


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内容説明
ジェネコミの中にビジネス書として新しいレーベルGXCビジネス誕生。萌え知識ゼロのギャル漫画家の浜田ブリトニーが、無謀にもリッチになることを目論んで、体当たりで萌え300%業界に乗り込み秘訣を探る!

タイトルに惹かれて「ジャケット買い」してしまったわけですが、浜田ブリトニーさんのキャラクターの強さと「楽屋オチ」的な雰囲気がちょっと僕には合いませんでした。
そこはかとなく「オタクを小馬鹿にしている感じ」が伝わってくるわりには、ネタは「オタク系のクリエイターになりたい人向け」だったりして、誰をターゲットにしているのかよくわからない本でもありますし。

「同人誌ビジネスの現状」の話とか、「ギャルだらけの深夜アニメ鑑賞会」の『スクールデイズ』という作品のストーリー紹介とかは、面白いというか、なかなか興味深かったのですけど。
(というか、深夜とはいえ、この『スクールデイズ』って、本当に放送されていたんでしょうか……)

この本のなかで、いちばん面白かったというか印象的だったのは、Lesson4の「知られざる萌えスロ萌えパチの世界」でした。
ネット株式会社の下澤部長のインタビューから。
(NETが下澤さん、GXが浜田ブリトニーさんと編集部の有井さん)

NET:こないだ知り合いの大学の先生とも話してたんだけど、今じゃアニメもコンテンツ産業の川上ではなくなってきてて、大半はラノベなんです。で、そこからアニメや漫画やゲームや、いろいろなものが派生してて、一番川下でコンテンツが流れてくるのを待ってるのがパチンコ・パチスロとハリウッド映画だ、という。川下のほうがなぜか大資本なんだよね。パチスロは依然として川の下流ですね。あ、もちろんここで言う「川上、川下」というのは文化的、品質的という意味での「上流、下流」という意味ではなくて、「加工、翻案」などコンテンツの拡大再生産におけるビジネス流通上の「川上、川下」の意味ですよ。東京工業大学の出口教授のご説です。

パチスロの『熊酒場』という台について。

NET:ボーナス中は雄熊が飲んだくれて電柱の陰で吐いてる、それが機械のすべてですね。居酒屋の内部も相当作り込んでます。


NET:どっちかって言うと萌え萌えしたものがNETだと思われてますけど、違うんですよ。どちらかというと『熊酒場』みたいなものがNETじゃないかな。


GX:なるほど!!


NET:パチスロ界の『デスクリムゾン』を目指したいですね。あるいは『セガガガ』とか。「この企画を通した奴は今頃クビになってるだろうな」って世間から思われるような。

 こういう話を聞くと、パチンコ・パチスロ業界のノーフューチャーな居直りというか、まだ、こういうクリエイターの主張が通ってしまう状況は、結構面白いな、とも思うのです。
 目指すのが『デスクリムゾン』や『セガガガ』って、上司がこれらのゲームを知らないからこそ言えるような気もしますが、僕はこういう人、けっこう好きです。

 まあ、「なぜパチンコ・パチスロがアニメだらけになったのか?」という疑問については、こういう労作がありますので、本当に興味がある人は、こちらを読んでいただいた方が良いとは思いますけど。


 前述したように、テーマは面白いのですが、ちょっと中途半端な本です。
 浜田さんの絵や切り口、オタクへの見方には癖がありますし。
 ところどころ、「なるほど」と感じるところもあるので、興味がある人は、書店で中身を確認してから購入することをおすすめします。
 しかし、『デスクリムゾン』を目指すって、すごいよなあ。
 僕が社長だったら、即刻クビにするかも……

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