琥珀色の戯言

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【読書感想】世界をひとりで歩いてみた――女30にして旅に目覚める ☆☆☆☆


世界をひとりで歩いてみた――女30にして旅に目覚める

世界をひとりで歩いてみた――女30にして旅に目覚める

内容紹介
ブログの女王として一世を風靡し、マルチタレントとしてバラエティ番組、ニュース番組などで大活躍の著者、眞鍋かをりさん。そんな眞鍋さんの趣味は『海外ひとり旅』。10代でデビューし、電車の乗り方もろくに知らなかった眞鍋さんが、ひとり旅に目覚め、自分で行動を起こす達成感、何にも縛られない自由を経験し成長していく過程をエッセイとして一冊にまとめました。
言葉が通じない国でのトラブル、現地の人との交流、危険な経験……などなど、30歳にして初めてひとり旅を経験した眞鍋さんには、海外旅行自体が一つの「冒険」。文化の違う国での驚き、新鮮が発見が、30歳という節目にいる女性の本音とともに綴られています。iPhonetwitterなどデジタルツールを駆使して、旅のトラブルを回避してきた著者ならではの「スマホ旅術」などひとリ旅初心者に役立つ情報も満載。
「海外ひとり旅ってこんなに簡単にできるのか」と、明日にでも旅に行きたくなる一冊に。


 眞鍋さん、仕事で事務所関係のトラブルがあったみたいで、あまりテレビに出ていなかったのですが、その時期に、こんな新しい「企画」(?)をはじめておられたんですね。
 僕自身は、海外にひとりで出かけたことはなく、旅行は「嫌いじゃないし、いろんなものを吸収したいという思いはあるのだけれど、出かける日が近づいてくるにつれ、面倒になってくる」というタイプなのです。
 バックパックを背負って旅をする人に憧れるのだけれども、その一方で、「トイレが汚かったり、セキュリティに問題があったりするようなホテルに泊まるのはイヤだなあ」とも思いますしね。
 ただ、「普通の人の、普通の旅」っていうのは、ありふれすぎていて、なかなか表に出てくることはありません。
 ものすごい貧乏旅行や、豪華セレブ旅のような「極端な旅」じゃないと、採り上げられる機会がない。
 こういうのって、意外と「いちばん多くの人が、あてはまるところ」が、ポッカリと空いているのです。
 そこで、この本。

 これは、実際に私が経験してきた、ひとり旅の記録です。これまでにプライベートで訪れた国は計14ヵ国。「本当にひとりなの?」とよく聞かれることがあるのですが、正真正銘、プライベートのひとり旅。なので、紹介している写真はすべて、私のデジカメやケータイで撮影したもの。自分が写っている写真は、タイマーを使ったり、通りすがりの人に頼んでシャッターを押してもらって撮りました。「女ひとり旅」というと、危険だとか、寂しいとかいったイメージもありますが、この本を読んで「ひとり旅ってこんなに楽しいのか!」と思っていただけると嬉しいです。

 「普通の旅も、普通じゃない人(眞鍋さん)がやってみると、本になる」と。
 眞鍋さんの語りは、やっぱりすごく上手いし、面白い。
 そして、「ちょっと時間が空いたときに、ひとりで海外っていうのも、そんなに難しくはないんだな」と思わせてくれるのです。
 むしろ、思いきってひとりで出かけてみれば、なんとかなるものなのかもしれないな、とも。
 眞鍋さんは、ずっと芸能活動をしていて、公共交通機関を利用する機会もほとんどなかったし、英語もそんなに得意ではなく、あまり旅好きでもなかったそうです。
 それが、30歳のとき、仕事に少し余裕ができたのをきっかけに、海外旅行に出かけてみたら、ハマってしまった。
 僕も海外旅行にはじめて行ったのは20代半ばくらい、出不精なので、気持ちはちょっとわかります。
 有名人であれば、国内旅行では面倒なことも多いでしょうし。


 この本を読んでいて感じたのは、「海外だから」というちょっとした先入観を捨ててしまえば、いまの世の中、ネットでけっこういろんな手続きができてしまう、とうことでした。

 さっそくパソコンを開き、ネットでホテル予約サイトを検索、有名どころのagoda, Booking.comといったサイトを比較し、その中から私が選んだのは、Booking.com。登録ホテル数の多さはもちろん、サイトの見やすさと日本語対応の優秀さが決め手でした。検索画面に日程と宿泊人数を入力すれば、条件に合った空室が一覧で表示されるというシステム。調べてみると、私の希望の日程で、空室のあるホテルが出てくる出てくる! 「とにかく、パリまで行ければ泊まる場所はあるんだ」。その事実が、私のパリへ行きたいという情熱にさらに火をつけます。年始のパリはどこも宿泊料が高く、私はお値段がお手頃な、小さな3つ星ホテルを予約しました。

 ものすごく安いバックパッカー向けのホテルとか、格安航空券を探すのでなければ、ネットで手軽にさまざまな手続きができるのです。
 眞鍋さんも書かれていますが、ホテルでのチェックインのやりかたなんて、「形式」さえ知っていれば、そんなに難しいものではありませんし、それなりのホテルなら、相手の対応も手慣れたものです。
 そんなに英語が得意じゃなくても、だいじょうぶ。
 

 また、この本のなかでは、眞鍋さんらしい「旅でのスマートフォンの利用法」も紹介されています。
 ただ、「スマートフォンの画面をみながら観光する」って、ある意味「ひとり旅のほうがやりやすい」ところはありますね。
 家族でそれぞれスマホの画面を覗いている、というのはちょっとせつないから。


 ところどころで「ブログの女王」の片鱗もうかがえるのもこの本の魅力のひとつ。
 ギリシャ旅行の章より。

 見上げると、青く澄んだ空をとても近く感じることができました。パルテノン神殿のそばまで、無心で足を進めます。
 そのとき、ふと私の脳裡によぎった、懐かしい感覚。
「あれ? 何だろう、この感じ。遠い昔にどこかで見たような……小さな頃から慣れ親しんでいるような……。ハッ! もしかしてこれは……!」
聖闘士星矢』のアテナ神殿!!!
 その光景は、私の世代にとてはまさに胸熱のアニメ、「聖闘士星矢」の世界そのもの!
「沙織さん……沙織さんはどこ……?」と、思わずヒロインの姿を探してしまいそうです(世代ネタですみません……)。


 これはわかる……たぶん、僕も同じなんじゃなかろうか。
 こういう話も、ちゃんと散りばめられているわけです。


 ただし、眞鍋さんも、けっこう危険な目に遭っておられるんですよね。
 「親日国」として有名なトルコでも、若い女性だと、しつこくナンパされたり、ものを売りつけられそうになったり。
 若い女性だと、旅をするのもめんどくさいことが多そうだなあ……とも感じました。
 ひとり旅には「自由」というイメージがあるのだけれど、逆に「自由だからこそ、自分の身を守るためのルールをつくっておく」ことが必要なのかもしれません。


 眞鍋かをりさんが好きか、「旅行に興味はあるけれど、貧乏旅行もセレブツアーも自分にはできない、という人」には、けっこう楽しめる本ではないかと思いますよ。

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