琥珀色の戯言

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GODZILLA ゴジラ ☆☆☆☆



あらすじ
1999年、日本。原子力発電所で働くジョーブライアン・クランストン)は、突如として発生した異様な振動に危険を感じて運転停止を決意。だが、振動は激しさを増して発電所は崩壊し、一緒に働いていた妻サンドラ(ジュリエット・ビノシュ)を亡くしてしまう。それから15年後、アメリカ軍爆発物処理班の隊員である、ジョーの息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、日本で暮らす父を訪ねる。原発崩壊事故の原因を調べようと侵入禁止区域に足を踏み入れた二人は、そこで思いも寄らぬ光景を目にする。


参考リンク:映画『GODZILLA ゴジラ』公式サイト


2014年26本目の劇場での鑑賞作品。3D吹替え版。
火曜日の夕方からの回で、観客は50人くらいでした。


僕自身は、あまり『ゴジラ』に対して思い入れはないんですよね。
ただ、あれこれ思い出してみると、人生最初に観た映画は『ゴジラシリーズ』だったのです。
ドラえもん のび太の恐竜』(もちろん映画第1作のほう!)の同時上映作品だったので、「早く『ドラえもん』始まらないかなあ!」って思いながら、ボーっと眺めていただけ、だったんですよね。
その後も、日本映画の『ゴジラ』は、夏休みなどにテレビで放映されていれば観ることもあるくらいで、ハリウッド版の前作も「観た記憶はあるけど、内容はほとんど覚えていない」のです。
でも、今回のハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』は、前評判もけっこう高かったし、楽しみにしていました。
これまで「日本のゴジラ」にそんなに愛着があったわけでもないのに「ハリウッドがまた変なゴジラ映画を作りやがったら、許さん!」などと鼻息も荒く映画館に突入。


……と、ここまで書いて、ちょっと困ってしまったのです。
この『GODZILLA ゴジラ』って、そんなに複雑なストーリーではないのですが、ネタバレしてしまうと、やっぱり、面白さが半減してしまうと思います。
そもそも、「いつ、どんなタイミングで、『ゴジラ』が登場してくるのか?」というのが、最大の見せ場ですし。
作中でゴジラの全体像がようやくあらわれ、あの咆哮を聞いたときには、やっぱり鳥肌立ちそうでした。
いろんな意味で、ゴジラを安売りしなかったのが、この映画の成功のポイントだったのだと思います。
あとは、ゴジラを中途半端に「人間的」にしなかったところかな。
気持ちはわかるが、家族のためとはいえ、みんなのことももうちょっと考えてくれよ……と言いたくなる主人公家族や、とにかくでっかい核兵器ならなんとかなるだろ、と思っているらしいアメリカ軍など、「ハリウッド映画だなあ!」と言いたくなるシーン満載。
ゴジラ』を生んだ国である日本がけっこう出てきたり(そして、さりげなく電力業界の隠蔽体質が皮肉られていたり)、渡辺謙さんがすっかり「博士役が似合う俳優さん」になっていたりと(そもそも、この映画って、ストーリー上は「博士」要らないと思うんですよね。あえて博士を登場させたのは、原作へのリスペクトなのかな)、日本人にはけっこう嬉しい仕様となっています。


一時期の日本版『ゴジラ』が陥っていたような「『シェー』とかやってしまう、親しみやすくて安っぽいゴジラ』に比べると、「本質的な『ゴジラ』」だと思うんですよこの映画って。
「日本よ、これが『GODZILLA ゴジラ』だ!」と、ハリウッドに宣告されてしまったような寂しさ。
日本版の設定では、ゴジラは水爆実験の影響で生まれたはずなのに、今回のハリウッド版では、「水爆実験はゴジラを倒すために行われた」ことになっています。
そういう「アメリカに都合のよさそうな設定変更」に対しては、「なんだかなあ」と思うのですけど、アメリカの観客に不快感を与えるような設定には「興行」としてできないのもわかります。
そもそも、そういう「政治的なアピール」みたいなものが「怪獣映画のテーマ」として語られるには、ちょっと違うんじゃないかとも僕は思うのです。
でっかくて、強い「怪獣」が出てきて、容赦なくいろんなものを破壊して暴れまくる、それが怪獣映画の必要十分条件
そういう意味では、この『GODZILLA ゴジラ』は、まさに「怪獣映画」です。
人間は、怪獣にひたすら振り回されるだけ。
それは、いまの映画としては、逆にすごく異例だし、爽快でもありました。


この家族のことはどうでもいいから、もっとゴジラ出せよ!
そう思いながら観ていたのですけど、このくらいの露出時間にとどめておいたからこそ、『ゴジラ』が出たときのありがたみがあったのだよね。


そうそう、上映の最後に「日本語吹き替え版スタッフ」が紹介されていたのですが、芹沢博士の吹き替え担当が「渡辺謙」になっていて、「えっ?」と思ったんですよ。吹替えっていうか……本人だろ?と。
考えてみたら、ハリウッド版では、ずっと英語でしゃべっているんですね、渡辺謙さん。
で、日本版では、自分の声を日本語に吹き替えている。
ああ、この『GODZILLA ゴジラ』って、ハリウッド映画なんだなあ、とあらためて意識させられました。

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