琥珀色の戯言

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【読書感想】旅ボン 大阪編

旅ボン 大阪編

旅ボン 大阪編


Kindle版もあります。

旅ボン 大阪編

旅ボン 大阪編

内容紹介
過酷な『ハワイ編』から約3年……。
今回の「旅ボン」はありそうでなかった大阪編。
ひきこもりイラストレーター・ボンボヤージュとゆかいな仲間たちが、大阪の街を歩きまわり、食べまくります。
ですが、これまで同様(それ以上に?)作者の妄想がヒドイことになっているので、
そのあたりは「それはないわぁ~」という感じでやんわり受けとめていただきますと幸いです。
なお、例によって、ガイドブック的情報はほとんど期待できませんので、ご注意ください。


 このコミックエッセイ『旅ボン』シリーズって、けっこう、巻による出来、不出来の差があるような気がします。
 ちゃんと描きこまれているものもあれば、ちょっとこれは手抜きなんじゃないか、という内容が薄いものもあって。
 で、おの『大坂編』は、どちらなのだろう、と思いながら読み始めたのですが、かなり丁寧につくられている本だと感じました。
 取材が2015年の後半からはじまって、3回も大阪で取材をして、「あとがき」が2017年の2月。作中でも、さんざん「原稿が遅い」「締切を守らない」とネタにされているボンボヤージュさんなのですが、逆にいえば、締切優先ではなく、完成度を高める、という判断をしたのだと思われます。
 いやほんと、140ページくらいのコミックエッセイって、スカスカなやつは、徹底的にスカスカですからね。
 この『旅ボン 大坂編』は、絵は丁寧に描きこまれているし、文字情報も多い。
 とはいえ、その多くは、観光ガイドではなくて、ボンさんと周囲の人々のかけあいです。
 大坂城シャチホコが「本体の出来はいいのに、ナット丸出し」であることを指摘しているところなど、「細かいなあ!」って苦笑してしまいました。
 でも、こういう「細かい気づき」みたいなのが、このシリーズの魅力でもあるわけで。
 「太陽の塔」の大きさを描写した絵とは、すごく迫力があって、今回は「絵」に力が入っているのも伝わってきます。
 さすがに時間をかけた(かかった?)だけのことはある。

天王寺」なんて寺ありませんよ。天王寺っていう地名は四天王寺を略したものですから、本来「四天王寺」だったものを「天王寺」と呼んでいるのです。


 関西人にとっては常識なのでしょうけど、僕はこれ、知りませんでした。
 というか、「四」だけを、なぜいちいち略すのだろう……とか思うんですけど。


 この本のなかで、いちばん印象的だったのは、「大阪万博の記念館」でした。
 僕も太陽の塔は一度観に行ったことがあるのですが、万博記念館って、そういえばそんなのあったかな……というくらいの印象しかありません。
 過去の栄光に浸るための、写真とか新聞記事とかが展示されている、こじんまりとした記念館なんだろうな、と思ったのか、観に行こうかと迷った記憶すらないのです。
 ところが、この本を読んでいると、大阪万博の頃の日本人の熱気って、こんなにすごかったのか……と驚かされてしまうのです。

 なんか今の技術って、この頃の発想の延長にあるものばっかりなのだな。う〜ん、大阪万博はスゴかったっていう話は聞いてたけど当時の人が過去を美化して昔を懐かしんでいるだけでしょくらいに思ってたけど、本当にスゴかったんだなって今日実感したよ。

 著者のその「驚き」が、読んでいても伝わってくるのです。
 この大阪万博記念館の部分は、とくにアツいよなあ。


 ちなみに、この旅のテーマのひとつが「トラやヒョウ柄を着た『大阪のオバチャン』を探す」というものなのですが、さて、大阪にはどんな「大阪のオバチャン」がいるのか?

 あと、『純喫茶アメリカン』には、ぜひ一度行ってみたいと思いました。
 観光ガイドにはならないかもしれませんが、読んで楽しい、ちゃんと描かれたコミックエッセイです。


新 旅ボン イタリア編

新 旅ボン イタリア編