琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

【読書感想】超ファミコン ☆☆☆☆☆


超ファミコン

超ファミコン


Kindle版もあります。

内容紹介
ゲームはいまだファミコンを超えてはいない!!


2013年はファミコン生誕30周年のアニバーサリーイヤー!!
それを記念してクソゲーハンターがファミコンハンターにジョブチェンジ
懐かしの名作・迷作・怪作、100本を徹底レビュー!!


さらに究極のファミコンムービー『GAME KING 高橋名人 VS 毛利名人』衝撃の舞台裏を
小説家・渡辺浩弐氏に直撃!! ついに明かされた27年目の真実とは!?


「結果的にはセメントマッチになっちゃったんです、高橋名人毛利名人の対決は」
「その瞬間、ステージにハドソンの工藤社長が飛び出してきて、この試合ナシ! って」
「いろいろ思惑の中で命懸けの勝負をやることになってしまった。
だから『高橋名人 VS 毛利名人』は『猪木 VS アリ』戦ですよね」


そしてテクモ(当時)に在籍、ファミコン黄金期を支えた天才プログラマー
弱冠10代にして『マイティボンジャック』『つっぱり大相撲』、
そして『キャプテン翼』を創った男、猪瀬祥希氏を独占ロングインタビュー!!

「当時の柿原社長にお会いしたら『ゲーム作れるらしいな。じゃあ開発で働け』と」
「そこがハードウェアをやっていたアーケード会社の強みで、
ファミコン用の開発ツールを自作しちゃったんですよね」
「当時の自分をホメてあげたくなりますね。『ぶれえんばすたあ』とか
『もろだし』とか、『つっぱり大相撲』にはいろいろ入れましたね」


ファミコン30周年のアニバーサリーイヤーを飾る、これぞ永久保存版!!
歴史的名機ファミコンのすべてを、ここにお届けしますッ!!

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【作品レビュー】


ドンキーコング』『マリオブラザーズ』『ロードランナー』『ゼビウス
バルーンファイト』『アイスクライマー』『イーアルカンフー』『ディグダグ
スーパーマリオブラザーズ』『ドラゴンクエスト』『いっき』
ポートピア連続殺人事件』『カラテカ』『スペランカー』『ゼルダの伝説
『忍者ハットリ君』『スターソルジャー』『高橋名人の冒険島』『たけしの挑戦状
プロ野球ファミリースタジアム』『聖飢魔II 悪魔の逆襲』『ロックマン
ウィザードリィ』『ビー・バップ・ハイスクール 高校生極楽伝説』
ヒットラーの復活 トップシークレット』『ファミコンウォーズ』『MOTHER』
『ダービスタリオン』『舛添要一の朝までファミコン』……and more!!

ファミコン30周年」ということで、さまざなま関連本が出版されているのですが、これはまさに、ファミコンゲームの総まとめとして、「一家に一冊」という感じです。
「たくさんのファミコンゲームが紹介されている本」は少なからずあるのですが、そういう本の大部分は、一部の超有名ソフト(『スーパーマリオ』とか『ドラゴンクエスト』シリーズとか)を除いては、カタログ的な解説文しか書かれておらず、物足りない感じがしていたんですよね。
ファミコンのゲーム文化っていうのは「名作ゲームの歴史」であるのと同時に「ゲームに対する情報が入り乱れていたがために、『クソゲー』がミリオンセラーになってしまっていた時代」でもあったのです。
たけしの挑戦状』『燃えろ!プロ野球』あたりは、いまでも語られる機会は多いのですけど。


この本、ある意味著者たちの思い入れで、紹介されるゲームの扱いが変わってきています。
スーパーマリオ』とかも、もちろんレビューされているのですけど、ファミコンの『ディーヴァ』のことが5ページにわたって書かれていたり、『舛添要一の朝までファミコン』に3ページも割かれていたりしているのは感涙もの。

『ディーヴァ』といえば、PC-8801mk2SR版のパスワードを持って、ファミコン持ちの友達の家に行ったことを思い出します。長いパスワードを入力すると同機種版の主人公が画面に登場。
「ほんま(本当)に、パソコンの主人公がファミコンに来てるんやなあ」とふたりして感動したことを忘れられません。

 我が家でも、シャープX1とファミコンの間で、同じような感動を味わったのを思い出します。
 あの頃の「機種の壁」って、本当に大きかったんだよなあ……


 しかも、「いまの時代(2013年)からみたツッコミ」、ではなくて、30年前、ゲーム少年だった頃の自分を思い出さずにはいられないような、当時リアルタイムで遊んでいた人が書いたに違いないレビューばかりです。
 分厚い本なのですが、読み終えるのが惜しかった。


女神転生』は、最初は『デジタル・デビル・ストーリー』がゲーム化されたときのサブタイトルだったのに、いつのまにかメインタイトルは消え、『女神転生』がメインタイトルになった、という話は懐かしく、『キャプテン翼』の主題歌の「チャンバ」の意味が「バーチャン」だったというのには、驚かされました。

 本作『桃太郎電鉄』は、ハドソンの人気ファミコンRPG桃太郎伝説』からのスピンオフという形になった資産蓄財型ボードゲームです。
桃鉄』といえば、みなさん思い浮かべるのがシリーズ2作目の『SUPER桃太郎電鉄』から現在まで続く「共通の目的地に向かって競争、一番遠いプレイヤーにはびんぼうがみがとりつく」という「おなじみの桃鉄シリーズ」のはずですが、この初代だけは別モノ。

 そうそう、『桃鉄』って、最初は『桃太郎伝説』のスピンオフだったんですよね。
 それが、いつのまにか、人気シリーズになって……
 このファミコン版の最初の『桃太郎電鉄』だけは「ボンビー」が出なかったんだよなあ。
 というか、PCエンジンの『SUPER桃鉄』の多人数プレイでの「びんぼうがみ」のなすりつけあいは、テレビゲームのマルチプレイに革命をもたらした、といえるかもしれません。
 ファミコン版は、もっと「ボードゲームらしい作品」だったのです。


 ただ、一部のゲームに関しては「実際にプレイしたことがない人が書いているのでは……」というレビューがあったのも事実です。
 『ダービースタリオン』のレビューに(というか、僕が持っている版では、タイトルが『ダービスタリオン』になってる……)、

 最初は予算がなくて種付け料金が無料だったり激安だったりする馬としか繁殖できませんが、世代を交代し徐々に地方レースを勝ち進めるようになり、馬の様子を見ながら慎重にトレーニングを行ううちに、奇跡のような競走馬が誕生するのです。

 うーむ、「徐々に地方レースを勝ち進めるようになり」って、高校野球と勘違いしているのでは…… 僕にとってはすごく思い入れが強いゲームなだけに、これはすごく残念でした。
 愛情あふれるレビューが大部分なだけに、なおさら……

 
 まあ、そういうところもあるのですが「高橋名人 vs 毛利名人」の裏側とか、飯野賢治さんの話とか、あの『つっぱり大相撲』(ああ、これを読んでいたらまたやりたくなってきた!)の開発者へのインタビューも収録された、ファミコン少年だった大人たち必携の一冊です。


 これを読んでいると、ファミコンというのは、始まりであるのと同時に、テレビゲームの面白さのすべてが詰まっていたのだな、とあらためて考えずにはいられません。
 

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